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井上靜に関するblog(網誌)です。下記の著書を読んでもらえたら嬉しく存じます。


by ruhiginoue

懲戒請求者を訴えた弁護士たちは自分のことしか考えていない

 今、光州事件を扱った韓国映画が話題だが、かつては軍の蛮行を描くなど不可能だったのが次第に可能となった時期、だから、そんなに古くはないが、もう昔の作品となった韓国映画に、主人公が故郷へ帰るさい、朝鮮戦争当時に起きた軍による住民虐殺を回想する場面があった。
 その故郷とは離島のため、情報が届かないから戦争の情勢が不明で、島民たちは不安を感じていた。そこへ北朝鮮軍が上陸して、戦争は北が勝ったから従えと言う。これに積極的に応じた一部の島民のこびへつらう様子は憎たらしいので、みんな反感を抱くが、軍に従っている者に文句を言うと後が怖いので黙っている。しかし主人公の教師は我慢できずに抗議してしまう。

 ところが、その北朝鮮軍とは変装した韓国軍だった。芝居をして住民を試し、北朝鮮に積極的に従う者を見つけ、見せしめに公開銃殺すると言い出したから、従っていた島民は仰天し、命乞いをする。
 この無様な様子を見て、他の島民たちはザマアミロだったが、しかし騙すとはやり方が汚いと思う住民もいて、主人公も軍に命懸けで抗議する。こびへつらうのを批判していたが、しかしそれは非力な庶民が保身のため醜い行動に出たのであるから、なにも殺すことないじゃないか、と。
 しかし聞き入れられない、という苦い思い出だった。

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 これと同じで、ネトウヨに騙され弁護士会に懲戒請求した人たちは愚かだが、 既に述べたとおり弁護士会の対応に、もともと問題があった。その会員である弁護士が、会の対応を問題にせず、迷惑したからと扇動者より先ず煽られた請求者たちを訴えると威嚇して和解金を取る。この行為も実に醜い。
 だから、ネトウヨをけしからんと言っている人でも、訴えるという弁護士たちの対応を批判しているのだ。

 もう一つ問題がある。本件では事実無根の請求だったのだからデマを鵜呑みにした方が悪いというけれど、では事実なのでちゃんとした請求した場合には弁護士から逆に訴えられることがないと保障されているだろうか。
 それが確実にあるのなら、本件の場合は仕方ない自業自得だと言ってもいい。

 しかし、今はスラップ訴訟というのが横行している。これは、大企業など力をもつ者が、都合の悪い相手に対して威嚇するのを目的に、勝敗を度外視して訴訟を起こすことだ。
 もともと顧問弁護士がいて料金は経費として所得控除されている者が個人を訴えれば、個人は対抗して弁護士を雇うために着手金などを支払わないといけないので、大変な負担となる。
 これと同じように、弁護士は自ら訴訟を提起できるし、仲間の弁護士もいるから、懲戒請求者に対して、勝訴できなくても訴えるだけで報復できてしまう。
 また、懲戒請求された弁護士がいつも権力や大資本の側についていた場合はどうなるか。もともと、権力や大資本に媚びる「ヒラメ」の裁判官が偏向し、普通ならとうてい勝訴できないはずなのに勝訴させるという例は、過去にたくさんある。
 だから、懲戒請求者を逆に弁護士が訴えること自体、非常に危険な前例となるのだ。

 なのに、これを弱者の味方のはずの弁護士が自分を憐れんで(その弁護士らのTwitterでの自己憐憫は大げさだし情けない)正当化し、逆の立場の政治家タレント弁護士が(どうせ過去のルサンチマンとはいえ)批判しているから、実に滑稽である。



by ruhiginoue | 2018-05-20 06:21 | 司法