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by ruhiginoue

警官が拳銃を常時携帯する必要はあるか

 富山市の交番襲撃事件で、警官が刃物で殺害されたうえ拳銃を奪われ、その拳銃を使った殺人事件が起きたため、現場の近所中が騒然となったうえ、その深刻さに警察も衝撃を受けているそうだ。
 この事件を起こした21歳の男性が逮捕されたが、彼はアルバイト店員をしていて、元自衛官ということだった。

 これと同じように、元自衛官が拳銃を奪うため交番を襲い刃物で警官を殺した事件は、平成に入りすぐ東京都練馬区で中村橋交番襲撃事件があった。あれは20歳の元自衛官で、凶器はサバイバルナイフだった。よく警官は、ヤクザよりランボーみたいな奴のほうがよほど怖いと言う。

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 もともと、拳銃を奪う目的で警官が襲われることがたびたびあった。拳銃を持ち歩く拳銃嚢(ホルスター)には、他者からは抜けないよう工夫がされているけれど、日本では警官から拳銃を奪おうとする者が後を絶たないので、警察はより厳重なものにしようかと検討していたが、この事件があったことで前倒し進めることにしたそうだ。

 ところでアメリカ映画『タクシードライバー』では、ロバートデニーロふんする主人公が拳銃を購入のうえ射撃場で練習し、立ち回りの時は慣れた様子で銃撃戦を展開しているが、この映画に影響された日本映画『太陽を盗んだ男』では、沢田研二ふんする主人公は交番の警官から強奪し、自宅で発砲せず構える練習をするだけだから、侵入先で最初に撃つさいには不慣れな仕草である。

 このように、アメリカでは、拳銃が堂々と購入できて射撃場で練習できる。だから銃を使用した犯罪が多く、警官が銃を携帯しないわけにはいかないが、拳銃を奪うため警官を襲う必要もない。
 しかし日本では、拳銃を買えないからリスクがあるけど警官を襲撃する。
 そして、『太陽を盗んだ男』の沢田研二は、殺虫スプレーに催眠薬を入れ蚊を退治するふりして取り出し警官に吹き付け気絶させるが、こういう知能犯ではなく刃物で奇襲攻撃する者が多いのが現実で、不意打ちされたうえ元自衛官で腕力がある若い男が犯人なら、警官が殺されてしまう。しかも、奪われた方法がなんであれ拳銃が奪われて使用される危険があり、とうとう殺人事件まで起きてしまった。

 こうした問題は昔から指摘されていた。日本の事情を考えると、警官が拳銃を常時携帯している必要はなく、むしろ警官にとっても社会にとっても危険ではないか。普段は拳銃を携帯せず、プロテクターを装着するのと同じように必要な時だけにすべきではないか。そうしている警察が外国にはある。
 だから―ということだ。
 
 この事件を機に、ホルスターの改造だけでなく、そもそも警官が拳銃を常時携帯する必要があるかという問題について、検討するべきだ。


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Commented by ケーキイーター at 2018-06-27 20:07 x
お巡りさんが拳銃を所持することよりも、私は「これだから、徴兵制をマジでやったら、マジで怖い」という印象の方が強いです。お師匠さんと、少し意見が分かれたかな?
Commented by ruhiginoue at 2018-06-28 20:21
徴兵制度をやるべきだなんて言う政治家がいるけど殺されたいのかと言ったことがありますし、あと一緒にバイトしていた韓国人の留学生が兵役に行ってた話を聞いて、韓国の民主化を実現したデモに迫力があるのは徴兵でみんな鍛えられていたからで、日本もそのほうがいいんじゃね、とか、ここで書いたことがありますね。
Commented by at 2018-07-05 13:44 x
 警察と韓国に詳しい青木理さんもテレビで指摘してましたね。拳銃の常時携帯の是非を論議すべきだと。
 警官自身が拳銃自殺したり職場で上司を撃ち殺したりもありますし、過剰制圧で相手を殺してしまうことも間々あります。
 また、警官も無理に持たされた拳銃の管理に相当な手間と神経を日常的に使わされていると言います。
 韓国ではかつて自暴自棄になった警官が乱射したことも何回かありました(臨戦態勢なので自動小銃や手りゅう弾が常備され、それを使用)。
 自民政府は人の命に冷淡で、これをやるとorやらないと(俺に関係のない)死人が増えるといった時に、ご都合で死人の増える方の政策を選択しています。銃を常時携帯させない方が本来的には、命の±も含めて金勘定的に得策でしょうに。
 スコットランドヤードと言えば毎日爆弾が破裂していた時代も含め、銃を持っていないことで有名です。
 とはいえ、日本で「警官と拳銃」と言えば”目玉の繋がった「本官さん」”。彼が拳銃を乱射するときの口癖の一つが「キサマ、国家権力を愚弄するのか!」
 拳銃を全員に持たせているのは、警察が平民に対する暴力装置であることを臣民一人一人に突き付けているためなのでしょうねえ。
 イギリスの政府なり議会なりは自己の正統性に自信があるので主権者国民に銃を付け付ける必要性を感じていないし、国民もまた犯罪対策の口実で国家権力に銃を無闇に持たせるほど信用していないのでしょう。
 本邦はその逆なんでしょうね。
 
Commented by ruhiginoue at 2018-07-05 22:06
薩長のゲリラが政権を奪ったので、サーベル下げて「おい、こら」とやっていた、その名残なのでしょう。
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by ruhiginoue | 2018-06-27 15:06 | 社会 | Trackback | Comments(4)