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by ruhiginoue

600万ドルの男マケイン死去

 アメリカの政治家だったマケイン氏が死去したそうだ。

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 最初、彼には良い印象だった。彼は元軍人で、ベトナム戦争で乗っていた軍用機が墜落して捕虜になり、コネやツテで交渉して捕虜交換を早めることもできたのに、それをしては他の方たちに申し訳ないと言って順番通りにし、こうしたために負傷の治療が遅れ、彼は身体に障害が残ってしまった、という話は美談として伝えられていた。
 また戦後は何度もベトナムを訪問し、関係改善に尽力したそうだ。

 しかし議員からさらに大統領を目指すと、選挙でマケイン候補は600万ドルの巨費を投じてオリンピック開催中のテレビに広告を流す権利を獲得したという。サイボーグじゃないけれども600万ドルの男である。
 しかも、晩年の彼は、軍から軍事産業への天下りを問題にして正義の味方のようでいて、その一方では戦争を積極的に推進していてかなり汚いことしてることを告発されていた。

 もともと良い印象だったのは、CBSドキュメント60minuteのような、アメリカの正面玄関からの情報によってもたらされたものだと後で気付いた。

 あと、選挙の際、人種差別主義者の人が、オバマが大統領になるなんて心配だと言ったらマケインさんはそれをたしなめて「もちろん自分が立候補してるんだから大統領には自分がなりたいし、オバマさんに大統領になってほしいと思っていないけれど、彼はちゃんとした人物なので、なったから心配と言うことはありませんよ」と言って、人種より人柄ですよとたしなめた。これに不愉快そうな白人たちがいたけど、マケインさんは立派だなと評価されていたことがあった。
 これを、例えば朝日新聞の記者などが蒸し返して、マケイン氏は共和党の良心だったと、甘いこと言っている。

 しかしこれはテクニックである。例えばアメリカのテレビドラマでも、マーチンシーンが扮する大統領に対して、彼のリベラル姿勢を共和党の応援演説が「左よりだ」と罵っていたのに対して、共和党の候補者は「でも彼を私は尊敬しています。もちろん政策に関する考え方は全然違うけれども、彼は誠実だったから務まったのです。私も大統領になったら彼のように誠実に務めたいと思います」と言う。
 これをテレビで見ていたマーチンシーンの大統領は「うまいこと言いやがって。これで無党派の票を100万ぐらい、かっさらっていきやがった」

 つまり。死んだから美化してはいけないと言う以前に、メディアに作られたイメージを捨てて自分の認識を修正しなければならなかった、ということである。


by ruhiginoue | 2018-08-27 17:01 | 国際