新潮社の「良心」は社内馴れ合い猿芝居
2018年 09月 21日
月刊誌『新潮45』は、差別発言を掲載して問題になると、事実誤認と無知に基づいて居直った。この醜さについては既に他で指摘されているが、このさい発行元の新潮社では、文芸部門などのツイッターアカウントが内部から問題にする姿勢を見せ、新潮社にも良心があるのかと言われた。
ところが、このたびの「騒動」により、このところ売り上げ不振だった『新潮45』が売り切れになると、途端にこの件について何も発信しなくなり、今までのことなどなかったかのように通常の営業に戻った。つまり、あれは社内に良心があるようにみせかけるアリバイ工作であり、同時に社を挙げて「炎上商法」のアシストをしていたのだろう。
この指摘は主に出版関係者からされているが、知り合いのジャーナリストは、新潮社の文芸部門も同じ体質と言っていた。かつて『新潮』に掲載された柳美里の小説『石に泳ぐ魚』の内容が病気の人を傷つけ苦しめる内容であったから、被害者から訴訟を起こされ敗訴したけれど、それでも同社は単行本を出版してしまい、この時の同社の態度から、そういう体質が取材していて判ったということだ。
また、月刊誌『紙の爆弾』(鹿砦社)に書いた記事のうち、『新潮45』を問題にしたことがある。これは読んだ方で憶えている方もいるだろう。『新潮45』は、恵庭OL殺害事件でデタラメ記事を載せて裁判になり、新潮社は敗訴し賠償金を払ったが、この傍聴をした当時、新潮社の校閲は日本の出版業界で最も緻密なのに、この雑誌だけは違うと指摘した。内容的に問題があるというだけでなく、事実誤認がひどかった。
こんな雑誌を発行していることを知って入社した社員ばかりいる新潮社である。今回は杉田水脈という国会議員が発言したから大きな問題になっただけで、この雑誌は内容的に昔からずっと同じだった。
だから、新潮社とはそんな所なのだ。
ただ、いつから、どうして、こうなっちゃたのかと疑問を呈する人たちがいる。これについては、亀井淳もと週刊新潮編集部次が生前に述べていた。リベラルだったのが三島事件から急変した。中央公論社が右翼のテロに屈したけれど、それに続いて新潮社も右翼を恐れ、それとともに右傾化する政治情勢に迎合したということだ。
また、この流れに棹差したのが『朝日新聞』であった。そして「天声人語」などで右傾化を煽った見返りに、右翼に迎合する新潮や文春から非難される皮肉なこととなった。これについては拙書『朝日新聞の逆襲』(第三書館)で詳しく述べたので、あとはそちらを参照のこと。
by ruhiginoue
| 2018-09-21 12:50
| 社会







