人気ブログランキング |

井上靜のblog(網誌)です。下記の著書を購入して支援を頂けたら助かります。下記の他は別人や海賊版なので買わないでください。アマゾンのコメント欄に嘘の書評が書いてあるのは過日倒産した出版社の宣伝です。この種の輩に対抗する意味でも何卒よろしくお願いいたします。品切れのさいはご容赦ください。


by ruhiginoue

岡口基一判事やタレント・スマイリーキクチの間違った認識

 Twitterでの発言で何かと話題の人である岡口基一判事やタレント・マイリーキクチが、Twitterで現実と乖離した話をしていて、見過ごせないので指摘しておく。

f0133526_17224724.jpg


 Twitterや掲示板など匿名で利用できるインターネット上のウエッブサイトといわれる場で違法行為をすると、そこでは匿名でも、接続するために情報を供給するプロバイダーと呼ばれる業者とは実名で契約しているから、その送信記録から情報開示されて判ってしまうことがあり、注意すべきだとか変なことは書くなとか、そういうことをTwitterでつぶやくだけでなく講演までしているそうだ。

 ところが、これはあくまで建前であり、実態はまるで違う。
 まず、殺害や爆破の予告とか麻薬の取引など物騒さが甚だしくて刑事案件になることは、警察が予算を使って技術者を雇い調査する。そうでなければ、名誉毀損や営業妨害などの違法性があってもだいたい個人的な範疇に収まる問題なので、警察に訴えても民事にするよう言われるものだ。
 すると、次は個人で調査しないといけない。でも捜査権が無いから、接続業者に対して教えるよう求めて同意してもらうことが必要だ。
 しかし、業者は契約者の個人情報を保護する責任がある。それで、違法性が明らかである場合に限って認められている例外を求める。だから、これを規定した法律を「プロバイダー責任制限法」と呼ぶ。

 そして、業者は基本的に契約者を守る。そのうえ個人情報を開示してよいのは違法性が明白であることが条件とされていて、これについて業者は顧問弁護士と相談するかというと必ずしもそうではない。そこまで対応できる専門性をもった顧問弁護士とは限らないからだ。
 そうなると、違法性が明白であるか否かより、契約者の社会的地位によって対応を決める。社会的地位が高い相手だと、その影響力が業者としては当然ながら気になるし、そもそも名誉毀損や業務妨害は社会的地位のある者のために作られた法律だから、逆に地位ある者が違法行為をした場合は司法が常に甘い。
 このため、もともと刑事で対応してもらえない軽微な違法行為ということで、だいたいは業者から情報開示を拒絶される。

 そうなると、業者を裁判に訴えないといけない。これは関係する会社の登記簿謄本を取り寄せたり訴訟費用の印紙を買ったりするし、違法性の証明などで弁護士を雇わないと難しいこともあるから、何かと金がかかる。
 そうまでしても、期待してはいけない。もともとプロバイダーが発信情報開示に難色を示したなら社会的地位のある契約者だと裁判官も考えるから、やはり開示請求を認めないのだ。名誉毀損などは特にそうだが、法廷に持ち込まれても、ほとんどの裁判官は上ばかり見る「ヒラメ判事」だから、「法の下の平等」など無視して、地位ある者たちにえこひいきしたり忖度したりである。それ以前の情報開示など認めるわけがない。地位が無い相手でも、それがネトウヨだったら、政権に好都合な者であるとして味方する裁判官が当然いる。

 これが実態だから、むなしい建前を語る人たちの話など、真に受けては危険である。



トラックバックURL : https://ruhiginoue.exblog.jp/tb/30106655
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
名前
URL
削除用パスワード
by ruhiginoue | 2018-10-15 17:24 | 司法 | Trackback | Comments(0)