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by ruhiginoue

北センチネル島の宣教師殺害と映画『ミッション』

 インド東部の北センチネル島で、上陸しようとしたアメリカ人の男性が住民に殺害されたと報じられた。
 この島は「未開の孤島」「現代文明を拒否する島」などといわれ、外部との関わりを嫌う先住民は、島に近付こうとする人を弓などで威嚇しており、まちがって近づいた漁船員が殺害されたこともあったそうだ。
 
 また、この島のそうした状態をインド政府は文化保護の意義などから公認しており、誰も訪れてはいけない島となっていた。
 ところが、そのアメリカ人の男性は、漁船に便乗させてもらうと無許可で島に上陸し、住民に殺害されたそうだ。彼はキリスト教の宣教師をしていて、布教のために訪問したらしい。

 しかし、文化保護の意義もあって、地元で伝統的な生活をしている人達を尊重して政府公認で立ち入り禁止としている島なのに、布教するからと勝手に上陸という独り善がりが、いかにも宣教師らしい。
 こういうことを善意でやらかす人がいるアメリカなので、中東などでは「十字軍だ」と反発されたり「ジハードだ」と抵抗されたりで、それに対してこれまた善意で「テロと戦う」などと、うそぶくということになるのだろう。

 ところで、宣教師が布教に行って殺されたというのは、映画『ミッション』(日本は87年公開)の、南米で宣教師が縛られて滝壺に落とされた場面を思い出させる。
 そのあとジェレミー=アイアンズふんする神父は、それまで宣教師がやっていたような訪問するといきなり上から目線で説教ということをせず、地元の人達は音楽が好きそうなので持ってきたオーボエを吹き始め(この映画のためにエンニオ=モリコーネが作った旋律が素晴らしい)これを聴いて寄ってきた地元の人達に分け入り受け容れてもらおうとする。

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 おそらく、そのアメリカ人宣教師も、映画を真似しようとしたか(28歳だったらしいので知らないかもしれないし、話題作でDVDはあるから宣教師なら関心をもって観たかもしれない)、楽器を持って行ったか、などは判らないが、何かしら分け入り受け容れてもらえる手を考えていたはずだ。
 しかし、通用しなかったということだ。


 オーボエの曲はこちら。モリコーネ指揮の演奏。









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Commented by ケーキイーター at 2018-11-26 20:10 x
殺されて当然だね。自己責任云々以前の話。と、キッパリと。
Commented by 王子のきつね at 2018-11-27 11:43 x
映画「ミッション」に出演していた先住民は、ガチの先住民で、映画に出演することはもちろん、映画を見たこともなかったので、死ぬ演技を見てホントに死んだと思って大いに驚いたそうだ。

映画の設定では宣教師たちが接触したのはグアラニー族ということになっていた(映画に出演した先住民は別の先住民)。映画の舞台となったパラグアイでは、今でもスペイン語とグアラニー語が混じって使われている。

パラグアイの民俗楽器はアルパ(ハープ)なので、ラストシーンで先住民が持って行くのは、バイオリンよりもアルパの方がリアルなのになと思った。
Commented by ruhiginoue at 2018-11-27 15:38
考えが甘かったのでしょうね。
日本人のように「ギブミーチョコレート」とはいかず。
また、南米の地元民たちは映画を知らないどころか演技するという文化が無かったので演出するのに難儀したそうだけど、文化の違いにより想像を絶することがあることも、今回殺された宣教師は知らなかったのでしょう。
Commented by ケーキイーター at 2018-11-27 20:24 x
追伸。宣教師の行為は島の住民にとっては、れっきとした侵略行為になっていた。そのことにも彼は無頓着過ぎた。
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by ruhiginoue | 2018-11-26 17:35 | 映画 | Trackback | Comments(4)