テレビにかじりつく老人
2018年 11月 28日
子供の頃に「テレビばかりみるな」とか「テレビを見るとバカになる」とか親から言われた人は少なくないだろうし、よく「テレビではなく本を読め」と言われることもあっただろう。
ところが、そんな親が、子供が大きくなるころにはテレビばかりになり、本を読まなくなる。それどころか、子供が本を読んでいると、本なんか読んでも役にたたないとか言うようになるものだ。
それで、逆に子供から親に「面白い番組ならともかく、下らない番組を見るのは無駄だし煩いからやめて」と頼むと親は怒る。それで困ってしまうと言う人は多い。
これは、自分の親もそうだし、人に訊いてみてもそうなので、たぶんほとんどがそうだろうと思うのだけど、新聞は読むというより大きな見出しを軽く眺めるだけになり、テレビ欄ですら例えば『徹子の部屋』に今日は誰が出るのかというのも子供に訊き、知らないと言っても「誰」と執拗に訊き、「さっき新聞受けから取ってきたから、そこに置いてあるよ」と言うと、仕方なさそうにテレビ欄を見るのだが、読めない。それで眼鏡をかけるけど見えず「また合わなくなった」と言って苛立つ。
つまり、老眼になって活字を読めない、または読むのが辛くなってしまったのだ。だから自分ができなくなったことを他人がしていると腐すようになり、かつては本を読めと言っていたのが、読書なんて無意味だと言い出すのだ。
それでテレビということになるのだが、だから見ているというより聞いていて、しかも耳も悪くなってきたから音を大きくしてしまい、このため家族に煩さがられる。
こういう時、代わりに新聞を見て教えてやるということをしても老人への思いやりではない。それでは認知症にするようなものである。買ってあげるからと説得して眼鏡屋に連れて行き視力検査(検眼と違い視力検査は眼科でなくてもしていい)してレンズを取替ることだ。変える間が短くなるから、よく宣伝している安い店にするといい。
by ruhiginoue
| 2018-11-28 18:12
| 司法