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by ruhiginoue

もともとオタクはもっと悪い意味だったはず

 「貴様」は、字のごとく敬意を込めている言葉なのだけど、皮肉を込めて「キサマ!」と怒って言うことが多かったため、敬意を込めて呼びかける本来の使い方がしにくくなり、「様」ではなく「殿」を使う「貴殿」がよく使われている。
 その「キサマ」と同様なのが「オタク」である。

 もともと「御宅」は「御社」のように敬意を込めて呼びかける言葉だが、俗に「御宅族」という呼び方ができて、ここから「オタク」という悪い意味の表現になった。
 これは、同じ趣味を持つ相手だからと敬意を込めて呼びかけてはいても、実は慇懃無礼で、そのさい自分のほうが凝っていることを相手に対して鼻にかけるのが常だから、そんな人を皮肉って「御宅族」と言ったのだった。

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 ところが今では、よく「オタク」は「マニア」と同じ意味で使われ「〇〇マニア」のように「〇〇オタク」と表現する。
 しかし本来の意味は違い、「オタク」とはマニア間で自慢する人のことである。そうじゃない人は、ただマニアックを省略して言う意味の「マニア」である。
 つまり「マニア」と「オタク」は同じ意味ではなく、特徴を備えた「マニア」を「オタク」と言い、その特徴とはマニアの仲間内で自慢するから感じが良いとは言えない人、だということである。

 だから、「マニア」と同じ意味で使われる場合の「オタク」には、「そのことにばかり熱中している」という否定的な意味がこもってはいるが、「マニア」という場合にだって、そうした否定的な意味を含ませて表現していることが多いから、この点では殆ど違わず、しかし本来の意味の「オタク」だと、そのうえ「同じ趣味の人に向かって慇懃無礼に自慢する」という、より悪い意味が加わる表現になるのだ。

 そうは言っても、社会の中で意味が変化してしまった言葉は、元に戻そうとしても無理なことである。
 これは、映画『それでもボクはやってない』を観ていて思ったことだった。裁判所の場面で、野次馬として傍聴しに来る人の中には性犯罪ばかり好んで面白がる悪趣味な人がいると弁護士が言うさい「傍聴オタク」と表現していたからだ。





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Commented by ケーキイーター at 2018-12-04 16:13 x
常日頃から思っているんだけど、私って、マニアなのかな。それとも、オタクなのかな?
Commented by ruhiginoue at 2018-12-05 16:16
そういう自問自答をする人が減ったので、区別がなくなってきたのでしょう。
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by ruhiginoue | 2018-12-02 10:25 | 社会 | Trackback | Comments(2)