芸術人の政治的発言なんていうテレビは議論のすり替え
2018年 12月 23日
モデルのローラさんが自身のインスタで、辺野古埋め立てに抗議する米大統領への署名に賛同するよう呼びかけたところ、日本のタレントとして二位のフォロワー数であるため影響があり、その時の署名は米大統領が考慮する義務が生じる10万筆までもう少しと迫っていたけど、その数をたちどころに超え、大きな話題となった。
これについて、テレビのワイドショーが取り上げたのはいいが、芸能人の政治的発言の是非という取り上げ方だったので、これはよろしくないと週刊誌が指摘する記事を載せた。芸能記事が多い女性向けの『女性自身』であった。
これは何人かの識者の談話をいくつか掲載したうえで「テレビが沖縄の基地問題をまともに取り上げないから、ローラさんが自ら署名を呼びかけた側面もあるわけです。むしろ、ローラさんを揶揄するような取り上げ方をした『モーニングショー』のようなマスコミの姿勢こそ、問い直されるべきではないでしょうか」と締めくくっていた。
そのとおりである。すでに指摘されていたとおり、政権に媚びるマスコミは、ローラさんの想いまで悪用して「芸能人の政治的発言の是非」と問題をすり替え、辺野古の埋め立てを追及せず芸能報道でお茶濁ししていて、同時に基地問題から社会の関心を逸らしているだけだ。だから『モーニングショー』を『女性自身』は批判したのだ。
そもそも芸能人の政治的発言について論じるなら、何故、これまで政権に媚びる芸人たちのことは放置しておいて、政権の意向に合わない発言の時だけ、発言の内容ではなく発言することの是非という形で騒ぎ立てるのか。
もちろん、政権に媚びるのと違って政権の意向に合わないと圧力がかかる心配があるので、みんなで応援しましょうと言うなら話は別だが、そうではない。
だいたい、政治的発言をすると人気や商売に影響を及ぼさないか、なんてこと当人はとっくに考えているはずで、そのうえで決意してのことだろう。なのにテレビがやってることは事実上、本人が考慮してないという決めつけを前提に、若いからとか芸人だからとか見下し、だから我々で代わりに議論してやろうという、実に失礼で傲慢で図々しいことだ。
それでいて、基地問題それ自体は番組の議題とはしていない。最低の番組作りである。
そんな番組の中で、女優の高木美保さんがローラさんの署名呼びかけを全面支持したとしても、そこで「政治的発言はタブーっていう発想を変えるべき」と言っているのでは、議論を本題から逸らすだけのことになる。政治的発言はタブーではない。政権に媚びる発言はやりたい放題だが、政権に不都合だと圧力が心配されている。そこを問題にしないといけないはずだ。
なのに、その番組は政治的発言が是だと出演者がコメントしたからいいじゃないかと言う人はマヌケすぎである。
とにかく、今回、女性週刊誌のほうがテレビのワイドショーよりは見識があったということだ。
by ruhiginoue
| 2018-12-23 06:30
| 芸能