カメラマンへの不信はカブトムシが原因
2019年 09月 16日
先日、今年はキャンプ場で子供たちにクワガタムシを捕ってやれなかった話をしたが、最近ではクワガタムシがカブトムシより子供に人気があるらしい。子供たちと話していていても、売られている値段からも。
やはり自分も子供のころカブトムシやクワガタムシを捕って飼っていた。昆虫学の矢島稔の文に松本零士が挿絵の共著『昆虫おもしろブック』は大いに参考としていた。今から思うと認識が古い部分もある本だが、面白かった。
この当時、近所の四歳か五歳くらい年上の女の子から、彼女のお父さんが仕事で必要だからカブトムシを譲ってくれと言われた。彼女のお父さんはカメラマンで、外国の子供むけに日本の珍しい昆虫を紹介するということだが、どこが珍しいのか。日本は生息する種が少ないのに。日本からすると外国の昆虫が珍しいということならあるけれど。例えば世界最大と言われるヘラクレスオオカブトムシなどが話題になる。
それが呆れたことに、日本のカブトムシに塗装して撮影して東洋の珍しい種ということにしてしまい、この写真を外国の子供むけ雑誌に売るというのだ。子供を騙して金儲けするというわけだ。
これは子供を被害者にする犯罪である。
もちろん激怒して断った。すると彼女はうちの母親に説得するよう頼んだ。そして、近所づきあいだから納得できなくても言う通りにしろと母親に命令されてしまった。まったく根っからの田舎者がすることであり、この母親のため子供のころから筆舌に尽くし難い思いをしてきた。今思うと、ウッカリ蓋を閉め忘れてカブトムシがみんな逃げてしまったことにすればよかったけど、当時は小学二年生だったから、そんな知恵は浮かばなかった。もっと聡明な子供なら、やっただろうが。
それから数か月後、そのカメラマンのお父さんは、モデルの女性と駆け落ちしてしまった。
しかも、何か仕事がらみの横領をして持ち逃げしたそうで、警察が調べていた。私服の刑事が聞き込みにやってきて、とくに近所だからと、うちの母親にあれこれ質問していた。そのさい刑事が言っていた。カメラマンお父さんは、派手な雰囲気の女性と一緒に歩いているのを街で知り合いに目撃されもしたそうだ。
こうして残された家族は、かなり立派な家に住んでいたけれど、収入が途絶えたので引っ越し、その後は消息不明である。
うちの母親は「あの娘(こ)、お父さんを慕っていたのに、可哀想ね」と言った。そんな男に自分も協力したこと、しかも強制された自分の息子だって可哀想だ、とは気づいてなかった。
ずっと後に、この話について、ある出版社の編集者が「カメラマンって、そんな奴が時々いるね。奥さんが美人だったりもするけど」と言った。
だから、時々このBLOGでカメラマンとかフォトジャーナリストは信用できないと言って時には実名を挙げて名指し批判しているけれど、もともと子供のころから体験によって不信感だったところへもって「やはり」と思うことがあるから、自信をもって批判しているのである。「食い物の恨み」というのがあるが、これは「カブトムシの恨み」である。
やはり自分も子供のころカブトムシやクワガタムシを捕って飼っていた。昆虫学の矢島稔の文に松本零士が挿絵の共著『昆虫おもしろブック』は大いに参考としていた。今から思うと認識が古い部分もある本だが、面白かった。
この当時、近所の四歳か五歳くらい年上の女の子から、彼女のお父さんが仕事で必要だからカブトムシを譲ってくれと言われた。彼女のお父さんはカメラマンで、外国の子供むけに日本の珍しい昆虫を紹介するということだが、どこが珍しいのか。日本は生息する種が少ないのに。日本からすると外国の昆虫が珍しいということならあるけれど。例えば世界最大と言われるヘラクレスオオカブトムシなどが話題になる。
それが呆れたことに、日本のカブトムシに塗装して撮影して東洋の珍しい種ということにしてしまい、この写真を外国の子供むけ雑誌に売るというのだ。子供を騙して金儲けするというわけだ。
これは子供を被害者にする犯罪である。
もちろん激怒して断った。すると彼女はうちの母親に説得するよう頼んだ。そして、近所づきあいだから納得できなくても言う通りにしろと母親に命令されてしまった。まったく根っからの田舎者がすることであり、この母親のため子供のころから筆舌に尽くし難い思いをしてきた。今思うと、ウッカリ蓋を閉め忘れてカブトムシがみんな逃げてしまったことにすればよかったけど、当時は小学二年生だったから、そんな知恵は浮かばなかった。もっと聡明な子供なら、やっただろうが。
それから数か月後、そのカメラマンのお父さんは、モデルの女性と駆け落ちしてしまった。
しかも、何か仕事がらみの横領をして持ち逃げしたそうで、警察が調べていた。私服の刑事が聞き込みにやってきて、とくに近所だからと、うちの母親にあれこれ質問していた。そのさい刑事が言っていた。カメラマンお父さんは、派手な雰囲気の女性と一緒に歩いているのを街で知り合いに目撃されもしたそうだ。
こうして残された家族は、かなり立派な家に住んでいたけれど、収入が途絶えたので引っ越し、その後は消息不明である。
うちの母親は「あの娘(こ)、お父さんを慕っていたのに、可哀想ね」と言った。そんな男に自分も協力したこと、しかも強制された自分の息子だって可哀想だ、とは気づいてなかった。
ずっと後に、この話について、ある出版社の編集者が「カメラマンって、そんな奴が時々いるね。奥さんが美人だったりもするけど」と言った。
だから、時々このBLOGでカメラマンとかフォトジャーナリストは信用できないと言って時には実名を挙げて名指し批判しているけれど、もともと子供のころから体験によって不信感だったところへもって「やはり」と思うことがあるから、自信をもって批判しているのである。「食い物の恨み」というのがあるが、これは「カブトムシの恨み」である。
by ruhiginoue
| 2019-09-16 04:39
| 自然