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by ruhiginoue

出産のリスクと中絶と原発事故とNHK

 先日、昨年末に産まれた子供へ適切な対応をしなかった女性が、それによって子供を死なせてしまった罪に問われて逮捕されたが、そうなってしまったのは生活苦だったと報じられた。

 このように子供を産めば経済的な苦労があるけれど、それ以前に出産は危険が伴うものだし、無事に産まれても鬱状態になるなど精神を病んでしまうこともある。
 だから出産とは相当のリスクがあることだが、自然なことなので何も心配が無いとか、リスクがあっても少ないとか言い張る人たちがいる。前に、それを交通事故死と比較して主張する人までいて、とんでもないデタラメだという指摘がSNSにあったのを見かけたが、そんなトンデモは昔からあった。

 あのマイケル=クライトン(『ER』などの作者)は、ハーバード大学の医学生である当時に架空の医師名で医療小説を書いて受賞したが、とりあげていたのは妊娠中絶の問題であった。
 ここで、中絶は出産よりリスクが低いと指摘している。
 とにかく命に関わることなので、それは当人が決めることである。これは常識だ。だから「産む産まないは女性の権利」と言われてきた。
 ところが、それを否定する勢力がある。

 よく、封建的な政治家や宗教団体が、女性の権利など認めず、女性は子供を産ませる道具みたいに言う。それで出産のリスクを否定したり隠蔽したり過少に説いたりしてきたのだ。
 だから、母体の危険を無視して中絶の数だけ論う者が出る。その最たるはカトリックだが、この信者を自認し「幼稚園から大学まで聖心」が唯一の売り(これを筒井康隆に小説でおちょくられていた)だった曽野綾子は、チェルノブイリ原発事故の死者と比較して中絶の方が多いから悪いという奇妙な持論を開陳していた。
 それだけ多いから、貧困や性暴力が深刻という問題ではなく、この人はもともと貧困者は「乞食」と貶めていたし、原発は業界から金もらって安全アピールする商売をしていた。人種差別発言で国際的に批判されたこともある。

 こんな人の、チェルノブイリ原発事故より中絶が悪いという発言を流布したのは、今の『Hanada』みたいなヘイト雑誌とかネトウヨ雑誌とか言われるメディアではなくNHKである。
 しかも、これは議論の中で飛びだした発言などではなく、一人で画面を占領して視聴者に向かって一方的に述べる番組だったのだ。

出産のリスクと中絶と原発事故とNHK_f0133526_11162202.jpg

 これでよく公共放送と名乗れるものである。
 昔から、今も相変わらずだ。その受信料を払えと「閣議決定」されたのだ。



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by ruhiginoue | 2020-01-06 05:09 | 社会