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井上靜に関するblog(網誌)です。下記の著書を読んでもらえたら嬉しく存じます。


by ruhiginoue

富野由悠季と安彦良和氏が否定した『ガンダム』の「ニュータイプ」

 『機動戦士ガンダム』などアニメーション映画のキャラクターデザインで知られ、漫画家としても活躍してきた安彦良和氏のことについては、かつて同級生が西武新宿線に乗っていたら偶然に見かけて、頼んでサインしてもらったという話を前にしたことがある。
「サインだけでいいかな」
「じゃ、お言葉に甘えて絵も」
 ということでアリオンを描いてもらったそうで、それを見せてもらったというより見せびらかされたことがある。

 この安彦良和氏が、最近、『ガンダム』に出てくる「ニュータイプ」を支持しないと発言していた。
 これよりずっと前に、『ガンダム』の製作者である富野由悠季氏も、テレビに出たさい「ニュータイプ」という設定を入れたことは間違いだったと発言していた。
 ようするに富野氏の発言とは、人間が次第に進歩することについて「ニュータイプ」という概念を作る必要はなかったという趣旨だったし、安彦氏は「選民思想」に繋がるものだと指摘していた。ということで、『ガンダム』を作った中心の二人が「ニュータイプ」なるミュータントというか新人類というかの設定を否定したのだ。
 
富野由悠季と安彦良和氏が否定した『ガンダム』の「ニュータイプ」_f0133526_16321003.jpg

 ところが、『ガンダム』の「ファン」「マニア」「オタク」の人たちは、「ニュータイプ」が出てくるからこそ面白いので、これがないと作品は意味をなさないと言う。
 
 しかし、そもそも『ガンダム』は『スターウォーズ』のような神話伝説調ではないのだから、神秘主義とかオカルトとかに属する設定を持ち込んでしまうと、多くの人は違和感を覚える。
 また、過去のSFアニメのように、宇宙人が侵略してくるとか、マッドサイエンティストや秘密結社による世界征服の陰謀とか、そういう荒唐無稽な敵と戦う話ではなく、今の現実で起きている戦争と同じことが未来に起きたら、どんな科学技術を用いたものになり、どんな政治経済の背景になるか、という追及をする話。これが『ガンダム』の面白さだったはずだ。だから放送当時は、過去のSFアニメと違って大人でも面白いと感じると評価されていたのだ。

 ところが、後から映画化などで人気が出て熱狂的な人が発生すると、その人たちは娯楽作品を鑑賞するというより宗教のように扱っている。
 こういう人たちが主流になると、そうではない多くの人たちは離れるのだ。



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by ruhiginoue | 2020-02-26 05:28 | 映画