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井上靜に関するblog(網誌)です。下記の著書を読んでもらえたら嬉しく存じます。


by ruhiginoue

亡国テレビが舛添要一や橋下徹を政治家に仕立てた

 昔の映画の一場面で、三國連太郎の演じる男性が戦時中に政府と軍を批判していて、そのさい「貧乏人には国なんて関係ない」と言う。
 すると政治に関心のなかった女性も、言われてみれば確かに自分も貧乏人だから国とはまるで縁が無いと言って同感する。
 これで警察から弾圧され、警官が「そんなことはない、お国があるから国民があるんだ」と説教するが、なんとも虚しい。

 昔から指摘されていることで、国が無くても人はいるが、人がいないと国は無い。それでも権力の側にいる者は、人にとって国は意義があるものだということにしたがり、教育さらに洗脳までするのだが、それだけでは足りない。何をしても貧乏人だと通じないからだ。
 そこで、どんな圧政をしている権力者でも、浮浪者やホームレスが少数いる程度ならいいけれど、それ相当の数で貧しい国民が発生することは、自分の地位にとっても危険なので注意し、その対策や政策をし、これが不十分でも足りているふりだけはするものだ。

 ところが、この常識を知らないのが橋下徹大阪府知事だった。貧困家庭の女子高生が、学費値上がりにつながる予算削減はしないでほしいと陳情すると、府の財政がひっ迫しているのを知らないのかと恫喝したうえ、文句があるなら国から出ていけと言い放った。

 彼の一見愛想がよくて冷酷な性格や、彼が非差別階層から成りあがると弱者を虐げて自分だけ出世したと悦に入る嫌らしさ卑しさが指摘されている。
 そうであっても、権力者になったなら、権力者としての原則は守るものだろう。それができない人は失格である。
 ところが、これを一部のテレビ番組が悪意ある編集をし、無知な女子高生がわがままを言って知事に叱られたという映像と音声に仕立てて放送したので、それを真に受けた視聴者たちが、その高校生が通う学校に嫌がらせをした。

 つまり、政治家としての資質が無い言動をしたのに、それをテレビが隠したうえ、視聴者を騙しもしたのだ。
 そもそも、橋下徹という人はテレビにタレントとして出ている変な弁護士だった。それが知事になる。舛添要一も同様で、変な大学助教授だった。政治学者というが不見識なうえ下ネタ好きで「性事学者」と皮肉られたりもしていた。それがテレビの力によって大臣や知事になった。

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 もともと、東京と大阪の知事だった青島と横山は、芸人としてテレビに出ていて、その知名度を利用して政治家になった。タレント政治家とは、そういうものだった。

 ところが、そのあと「こんな非常識をテレビで言うなんてとんでもない」と顰蹙を買う人たちが出るようになり、いくら批判されても出続ける。テレビは、予め録音された笑い声や、点滅するなどのテロップが入り、ここが面白いんだ、これが答えだ、ツッコミどころだ、という風に強要し、慣らされた人は面白くなくても笑わなきゃと思い、不見識でも立派な論客だと思い、感情と思考を操られる。不自然に力任せに持ち上げられて強引に「気鋭の」論客であることに仕立てられた人を、テレビに出ている御方だから立派だと思い込み付和雷同する人たちが大勢いて、そこから政治家になって悪政どころか非常識なことをするようになる、という図式が確立している。

 このままでは、テレビに国が滅ぼされるだろう。



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by ruhiginoue | 2020-05-06 04:35 | 政治