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井上靜に関するblog(網誌)です。下記の著書を読んでもらえたら嬉しく存じます。


by ruhiginoue

博打で稼ぐ映画監督


 スタンリーキューブリック監督は、『時計じかけのオレンジ』の原作に無い脚色で主人公に『雨に唄えば』を歌わせるかだけで三日くらい考えたと言い、これは全体の中でここぞという要点だったからだそうだ。チェスの対局と同じで、ここぞという場面でしくじると全体がうまくいかなくなるというわけだ。
 なんでチェスに喩えるかというと、彼はチェスが得意で、映画の仕事が無いと賭けチェスで稼いだほどだったから。

 長谷川和彦監督も、映画の仕事が無いと麻雀で稼いでいた。そして『太陽を盗んだ男』の後に撮っていないことについて、当時の妻がテレビに出たさい、新作がなくて本来なら家計が心配だけど夫は博打が強くて稼いだ実績もあるから大丈夫だと言った。
 これはNHKだったので、司会者が少し慌てて博打の話はチョットと言っていた。

 かつて「私は、この禁煙パイポで、タバコを止めました」とサラリーマンのおじさんが言う宣伝があった。今は亡き市川準監督がテレビのCМを専門に撮っていた当時のものだったらしい。
 ここでサラリーマンのおじさんたちが次々と「私もこれで、タバコを止めました」と禁煙パイポを指で摘みながら言うのだが、最後の人は小指を立てて「私はコレで、会社を辞めました」という落ちで笑わせていた。
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 今年は麻雀の点棒を持って「私はコレで検察を辞めました」という人がいた。博打は違法であるが、そもそも映画の製作と興業は博打である。公務員とくに司法官僚はダメというわけだ。

 そのNHKの番組で、長谷川和彦監督の妻は、夫が映画製作について「もっとお金があったら」と、こぼすことがあると言っていたが、同席していた大林宣彦監督の妻は、そういうことを自分の夫は口にしないと言っていた。
 そして先日、大林宣彦監督が死去すると、彼は広島の出身で故郷に思い入れの映画を撮りながら平和への想いを語り原爆にも原発にも反対しているのに、原子力業界のプロパガンダCМに出演して大金をもらうという整合のない処世術が指摘されていた。
 これに比べたらチェスや麻雀で稼ぐほうが嫌らしくなくていい。





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by ruhiginoue | 2020-05-27 04:53 | 映画