三浦和義氏の逮捕について
2008年 02月 24日
どうして今更になって逮捕なのか不可解と言われている。
いわゆるロス疑惑とは、整理すると、こうなる。
「ロス」とは和製英語でロサンゼルスのこと。略するなら本当は「LA」だ。
81年に、貿易会社を経営する三浦和義氏が旅行先のロサンゼルスで強盗に襲撃され、三浦氏は重傷、妻は意識不明の重体で意識が戻らないまま死亡した。
当時のレーガン大統領が狙撃されていたこともあり、銃社会アメリカは恐いと言われた。
ところが、三浦氏が妻にかけた多額の保険金を受け取っていたため、金目当ての自作自演ではないかと週刊誌が騒ぎたてた。
三浦氏が女優の水之江滝子(通称ターキー)の甥で、少年時代は叔母の映画によく子役として出演しており、その叔母が石原裕次郎を売り出したので、三浦氏は子供の頃デビュー前の裕次郎と一緒に遊んだり、裕次郎の兄慎太郎が運転するクルマで出かけたりしたこともあって、そのことから芸能スキャンダルのようにワイドショーなどが盛り上げた。
そのため刑事事件と芸能ゴシップを一緒にしてはならないという批判が、マスメディアに対してなされたものだった。
その後、周知のとおり三浦氏は逮捕されて、一審は有罪だが二審で無罪となり最高裁で確定した。
三浦氏が怪しまれたのは、事件当日の状況証拠からで、直接の証拠はなかった。また、事件の三ヶ月前にも妻が襲われており、その犯人が三浦氏から妻を殺すように依頼されたと証言した。この犯人は元女優でロマンポルノに出演していたため、売れてなかった人とはいえ話題となった。
この事件では、元女優の証言により三浦氏は有罪となって実刑判決を受けている。ただ、この元女優は三浦氏に「棄てられた女」であったから、自分ではなく選ばれた妻と出くわして嫉妬のあまり殴ったうえ、三浦氏に頼まれたと狂言したのではないか、そうしろと警察に言われて従ったのではないかと疑われている。
疑問は犯行動機の点にもあった。三浦氏の経営する会社「フルハムロード」は経営が軌道に乗ったところで、当時三十代前半の三浦氏は、当時の貨幣価値で年収一千万円くらいになっていたし、夫婦仲は良く、その間の一人娘のことを三浦氏は溺愛しており、保険金も娘が受取人だったくらいだから、そんな妻に保険金殺人を仕掛ける理由が見当たらなかった。
しかも、事件当時はロサンゼルスオリンピックを目前に控えていたため、そこで外国人旅行者がアメリカ人のならず者に襲われたとなっては悪影響だと当局は気にしていたらしいから、マスコミを焚き付けて自作自演だったことにしてしまおうという陰謀があったのではないかといも言われている。
これは後の松本サリン事件と酷似していた。長野オリンピックを控えていたため地元警察が冤罪事件を拵えメディアを利用した構図と。その被害者で映画「日本の黒い夏ー冤罪」の主人公モデル河野義之氏と三浦氏は何度か面談している。
しかし、裁判で決定的だったのは、目撃者がいたこと。アメリカ人の警備員が、事件の少し前から怪しい白人男性が現場周辺をウロウロしているのを見かけており、警備員仲間で要注意だと言い合っていたところ、日本人夫婦が襲われる事件となり、そこから逃げ去る犯人が例の白人男性だったとはっきり証言した。
こうなると、検察の作ったシナリオは完全に崩れる。三浦氏の依頼で、その知り合いの日本人男性が実行役であったとし、直接の証拠はないが状況証拠からそうだと厳重に固めていたのだから、その根幹が間違っていたことになる。
にもかかわらず、アメリカ当局が今更になって蒸し返して逮捕とは、間違えたのはあくまで日本の検察ということである。
そうなると三浦氏が依頼したのは目撃されたアメリカ人で、それが誰か突き止めたうえ自白その他の証拠が得られたとしか考えられない。そうでなければ、政治的なパフォーマンスが行われたことになってしまう。
今後に注目しなければ、後はなんとも言えない。
最近では、三浦氏は万引き疑惑で騒がれている。
何年か前には、書店で代金を払わず出て行ったところを警備員が見とがめたのだが、そのとき三浦氏は、レジがない別のカウンター前にいて、会計すべきカウンターは他の客で混雑していたから空いているこちらへ来たわけで、ここでも会計できると思い込んでしまって迷惑をかけたと言った。そうなると、盗む気はなかったとも言えるので、嫌疑不十分ということに。
去年のサプリメント万引きについては、防犯カメラの映像は編集によって作られたものだから捏ち上げで陥れられたと主張し、裁判で争われている最中だった。
この防犯カメラについては、確かに問題がある。まず、そのカメラ会社は、この件を宣伝に利用して自社製品売り込みに営業しまくっていたため批判されている。
また、真実はどうかとは別に、テレビで放送された映像が編集されていたことは事実であり、犯罪の証拠というなら未編集でなければならないし、それ以前に、裁判の中で、やったやってないの争いとなったときに出てくるべきものが、そうなるまえにテレビで放送されてしまった。
つまり、この件への対処として不適切であるうえ、さらには、やったかどうかとは無関係に、お前らみんな監視されているんだぞ、という脅しであるのだから、みんな犯罪者予備軍にされているようなものだ。
そうとは気づかず、他人事だとしか思えずにあれこれ言っている人はお人好しすぎる。そんなテレビなんて見てない、あるいは、たまたま見たけれどあれでは証拠にならない、あんな映像を放送すべきではない、などというように当たり前の反応をすることができない人が、なんと多いことか。
そして、そう指摘すると、犯罪者を擁護しているとお門違いの非難をすることしかできない人も少なくない。
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いわゆるロス疑惑とは、整理すると、こうなる。
「ロス」とは和製英語でロサンゼルスのこと。略するなら本当は「LA」だ。
81年に、貿易会社を経営する三浦和義氏が旅行先のロサンゼルスで強盗に襲撃され、三浦氏は重傷、妻は意識不明の重体で意識が戻らないまま死亡した。
当時のレーガン大統領が狙撃されていたこともあり、銃社会アメリカは恐いと言われた。
ところが、三浦氏が妻にかけた多額の保険金を受け取っていたため、金目当ての自作自演ではないかと週刊誌が騒ぎたてた。
三浦氏が女優の水之江滝子(通称ターキー)の甥で、少年時代は叔母の映画によく子役として出演しており、その叔母が石原裕次郎を売り出したので、三浦氏は子供の頃デビュー前の裕次郎と一緒に遊んだり、裕次郎の兄慎太郎が運転するクルマで出かけたりしたこともあって、そのことから芸能スキャンダルのようにワイドショーなどが盛り上げた。
そのため刑事事件と芸能ゴシップを一緒にしてはならないという批判が、マスメディアに対してなされたものだった。
その後、周知のとおり三浦氏は逮捕されて、一審は有罪だが二審で無罪となり最高裁で確定した。
三浦氏が怪しまれたのは、事件当日の状況証拠からで、直接の証拠はなかった。また、事件の三ヶ月前にも妻が襲われており、その犯人が三浦氏から妻を殺すように依頼されたと証言した。この犯人は元女優でロマンポルノに出演していたため、売れてなかった人とはいえ話題となった。
この事件では、元女優の証言により三浦氏は有罪となって実刑判決を受けている。ただ、この元女優は三浦氏に「棄てられた女」であったから、自分ではなく選ばれた妻と出くわして嫉妬のあまり殴ったうえ、三浦氏に頼まれたと狂言したのではないか、そうしろと警察に言われて従ったのではないかと疑われている。
疑問は犯行動機の点にもあった。三浦氏の経営する会社「フルハムロード」は経営が軌道に乗ったところで、当時三十代前半の三浦氏は、当時の貨幣価値で年収一千万円くらいになっていたし、夫婦仲は良く、その間の一人娘のことを三浦氏は溺愛しており、保険金も娘が受取人だったくらいだから、そんな妻に保険金殺人を仕掛ける理由が見当たらなかった。
しかも、事件当時はロサンゼルスオリンピックを目前に控えていたため、そこで外国人旅行者がアメリカ人のならず者に襲われたとなっては悪影響だと当局は気にしていたらしいから、マスコミを焚き付けて自作自演だったことにしてしまおうという陰謀があったのではないかといも言われている。
これは後の松本サリン事件と酷似していた。長野オリンピックを控えていたため地元警察が冤罪事件を拵えメディアを利用した構図と。その被害者で映画「日本の黒い夏ー冤罪」の主人公モデル河野義之氏と三浦氏は何度か面談している。
しかし、裁判で決定的だったのは、目撃者がいたこと。アメリカ人の警備員が、事件の少し前から怪しい白人男性が現場周辺をウロウロしているのを見かけており、警備員仲間で要注意だと言い合っていたところ、日本人夫婦が襲われる事件となり、そこから逃げ去る犯人が例の白人男性だったとはっきり証言した。
こうなると、検察の作ったシナリオは完全に崩れる。三浦氏の依頼で、その知り合いの日本人男性が実行役であったとし、直接の証拠はないが状況証拠からそうだと厳重に固めていたのだから、その根幹が間違っていたことになる。
にもかかわらず、アメリカ当局が今更になって蒸し返して逮捕とは、間違えたのはあくまで日本の検察ということである。
そうなると三浦氏が依頼したのは目撃されたアメリカ人で、それが誰か突き止めたうえ自白その他の証拠が得られたとしか考えられない。そうでなければ、政治的なパフォーマンスが行われたことになってしまう。
今後に注目しなければ、後はなんとも言えない。
最近では、三浦氏は万引き疑惑で騒がれている。
何年か前には、書店で代金を払わず出て行ったところを警備員が見とがめたのだが、そのとき三浦氏は、レジがない別のカウンター前にいて、会計すべきカウンターは他の客で混雑していたから空いているこちらへ来たわけで、ここでも会計できると思い込んでしまって迷惑をかけたと言った。そうなると、盗む気はなかったとも言えるので、嫌疑不十分ということに。
去年のサプリメント万引きについては、防犯カメラの映像は編集によって作られたものだから捏ち上げで陥れられたと主張し、裁判で争われている最中だった。
この防犯カメラについては、確かに問題がある。まず、そのカメラ会社は、この件を宣伝に利用して自社製品売り込みに営業しまくっていたため批判されている。
また、真実はどうかとは別に、テレビで放送された映像が編集されていたことは事実であり、犯罪の証拠というなら未編集でなければならないし、それ以前に、裁判の中で、やったやってないの争いとなったときに出てくるべきものが、そうなるまえにテレビで放送されてしまった。
つまり、この件への対処として不適切であるうえ、さらには、やったかどうかとは無関係に、お前らみんな監視されているんだぞ、という脅しであるのだから、みんな犯罪者予備軍にされているようなものだ。
そうとは気づかず、他人事だとしか思えずにあれこれ言っている人はお人好しすぎる。そんなテレビなんて見てない、あるいは、たまたま見たけれどあれでは証拠にならない、あんな映像を放送すべきではない、などというように当たり前の反応をすることができない人が、なんと多いことか。
そして、そう指摘すると、犯罪者を擁護しているとお門違いの非難をすることしかできない人も少なくない。
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by ruhiginoue
| 2008-02-24 02:39
| 司法