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by ruhiginoue

「アマデウス」は漫画じゃない

 マンガの天才主人公は無神経で残酷な態度が目立つというコネタだが、出してある例には疑問な部分が。
 マンガの例が少ないのに映画にもあるといって「アマデウス」の話に。それに、この映画はよく見ると、単に凡人と天才の比較をしたのではない。ウケ狙いを重視したアントニオ・サリエリ(実際に劇的高揚が得意だったと伝えられている)に対してアマデウス・モーツアルトは、完成度にこだわりオペラの上演時間が長くなって皇帝がアクビするなど観客を疲れさせてしまう。だからモーツアルトはサリエリに「少し君を見習うことにするよ」と半分は本気、半分は皮肉、そんな調子で言う。
 漫画「庖丁人味兵」も「ガラスの仮面」も、恵まれた環境にあるライバルを天賦の才を持つ主人公が打ち破って行く痛快さが受けているが、才能とは世俗の価値観とは異なるため欠損した人間性に備わるということであり、だから「ドラゴンボール」の主人公もモーツアルトと同様に家庭を顧みない。
 つまり天才とはある種の不幸である。トーマス・マンの「トオニオ・クレーゲル」が言う「才能というよりは呪い」だ。だから残酷な印象になる。
 それにしても「包丁人味兵」とは70年代前半に少年ジャンプに連載していたもので、ずいぶんと古いものを持ち出したものだ。残酷なら「美味しんぼ」の先生のほうがすごい。このモデル魯山人も、不遇な生い立ちのため子供の頃に食べ物に苦労し美食にこだわるようになった。
 あと、このネタに引き合いにぜひ出すべき「ブラックジャック」が無いのが疑問だ。
 

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by ruhiginoue | 2008-05-09 11:18 | 映画 | Trackback | Comments(0)