井上靜の気楽な日誌です。気楽にコメントしてください。おたよりも気楽にe-mail:ruhiginoue@excite.co.jpまで


by ruhiginoue

カテゴリ:司法( 524 )

 財務省の福田次官がセクハラ発言で週刊誌に報じられ、騒ぎになると否定して週刊誌を訴えるつもりだとか言っていた。
 その時の録音があるけれど、違うと言いたいのだろうか。誰のかは声紋鑑定で確認の手段もあるが、自分の不利な証拠を提出する義務はないと逃げることができる。
 これはロッキード事件がらみで三木総理あての偽電話をかけた疑惑の鬼頭判事補がそうだった。しかし、これは逃げたけれど、他にも複数の問題を起こしていて、法曹資格をはく奪された。それで映画の法律監修などをしていた。手形詐欺が題材である高木彬光の小説『白昼の死角』が映画化された時タイトルに名が出ていて、こんなことをしていたのかと思ったものだ。

 もともと、会話の録音は証拠として問題になることがある。アメリカでマルコムXの娘がCIAの罠に陥れられた時も、会話の録音が証拠となって逮捕されたが、よく注意すると言わされたものだった。
 これは、さすがCIAだからプロ中のプロで誘導が実に巧妙だったそうだ。このときキング牧師の未亡人が救援に入り、CIAの手口なら夫がさんざん被害に遭っているので自分は騙されないと言っていて納得だった。

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 あと、防衛医大の訴訟でも録音を証拠として提出したが、後付けで意味を変えて否定されるリスクがあり、出し方に注意を払ったが、それより発言した医師が逃げてしまい否定しなかった。これは学会で東大の教授から、君の指導がなってないから部下が手術で問題を起こすと指摘されて困っていたからのようだ。
 これを東大の教授に伝えたら「ああ、そうでしょうね」と当たり前のように言い、この話に慶応の教授が「ああ、この世界での格が違うからだよ」と。
 これが医学界の現実である。

 余談だが、福田次官が週刊新潮を訴えるというはセクハラ録音は捏造と言いたいのだろうか。そうならモノマネとか声帯模写とかであろうか。
 これで思い出したが、かつてたまたま見ていたワイドショー番組で笑ってしまった。歌手の石川ひとみを騙そうとして「郷ひろみさんがインタビューで、好みの女性は石川さんだと言っていた」と録音を聴かせた。確かにそう言っているけど、しかし石川ひとみに「この声、若人あきらさんでしょう」と見抜かれて失敗だった。


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by ruhiginoue | 2018-04-18 17:34 | 司法 | Trackback | Comments(3)
 小池知事の下で進められている東京都迷惑防止条例改正案の内容がひどいと弁護士やマスコミが指摘している。これは法令と同じ目的で法令よりも厳しい規制を定める「上乗せ条例」であり「法律の範囲内で条例を制定することができる」とする憲法94条の規定に違反しているからだ。

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 また、この条例の危険性について、自由法曹団の弁護士が「ストーカー規制法は『恋愛感情』でのつきまといが対象」「ところが、条例案の要件の『ねたみ、恨みその他悪意の感情』はあいまいで、『安倍ヤメロ』というデモの掛け声だって“悪意”とみなされる恐れ」と、具体的な指摘をしている。
 この自由法曹団は運動団体なので、どこまでやるかは別にして、いちおう権力に立ち向かう意思のある弁護士が加入するものだから、反対は本音である。

 これとは異なり、各弁護士会および日本弁護士連合会は、弁護士として仕事するために加入しなければならない団体であるから、会員の政治的立場は人によって全然違い、商売優先とか権力の手先とかの弁護士が多くいて、そういう者ほど金も勢力もあるから幅を利かせている。このため当然ながら、表向きは権力に立ち向かっているように装っていても、実際は権力に追従と協力をしているのが実態である。

 そして、その条例、自由法曹団所属弁護士が指摘するような政治的な濫用は、確実に意図されているだろう。なぜなら既にフライングの行為が、それも弁護士から起きており、これを正当化しようとの策動が続いていたからだ。

 例えば、前にも説明したとおり、防衛医大の医療過誤訴訟の最中に「ストーカー」として刑事告訴された件だ。医師に対する恨みと悪意の感情で批判しているから原告の患者を逮捕して口封じせよという告訴状が、国の代理人の弁護士らによって作られ警察に受理された。その一人は元高裁判事。もう一人は法学博士。
 これは法を曲解していると指摘され、困ってしまった彼らは「ストーカー的」と言っただけだと屁理屈の弁解であった。
 いくら下手な弁解をしたところで、これは元防衛医大医師の決定的な証言が出る直前の告訴だったから、その意図は推して知るべし。結果は、告訴が不処置となり訴訟で患者の勝訴となった。

 しかし、この虚偽告訴を問題にすると、東京弁護士会は弁護士の評判を落とす営業妨害であると喚き散らし、身内かばいあいと権力の手先である実態を露呈させた。
 このさい、元高裁判事と法学博士の弁護士らが素人からツッコミ入れられたことについて、弁護会が反省ではなく逆恨みしていて無様であった。さらに日弁連も今流行りの書面改竄によって逃げたのだ。
 こうした改竄はどこの役所でも普通で、政治問題となって発覚したに過ぎないが、弁護士会は制度的に追及されないので、やりたい放題である。証拠は山ほどあり、所持している人は大勢だが、それを知っていて弁護士会は堂々と恥もせず不正をしまくっているのだ。

 このようなことが十年以上も前から続いてきて、この醜悪な実態に合わせて条例を作ろうというわけだ。



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by ruhiginoue | 2018-03-19 16:09 | 司法 | Trackback | Comments(2)
 先日、権力にすり寄っている者を名誉毀損で訴えると、勝てそうだったのに裁判官が偏向して勝てないことがよくあるという事実を、自分の経験から述べたが、これを嘲笑していた男が、それなら大丈夫だと勘違いした。
 この馬鹿男は、自分は権力にすり寄っていると思っているようだが、あくまでニワカであった。なのに勝手に安心して嘘をネット上で書き続けた。それで名誉毀損で訴えてやったら、自信満々の態度だったのに結果はそいつの敗訴で、さらにそいつは控訴したものの弁護士から愛想尽かしで辞任されたため控訴を取り下げ賠償金を支払ってきた。これを何度も繰り返して、そのたびにそいつは金を払ってばかりだった。
 
 これは、桜井(高田)誠が有田芳生に裁判で完敗したのと同じことである。自分が権力の側に付いているから反権力の立場の者に対しては裁判で楽勝だと思っていても、しょせんチンピラであれば負けるのだ。
 もちろん、地位や力に影響される司法であってはならないし、地位や力とは関係なく公正さを実現するために司法があるので、権力にすりより偏向する裁判官が圧倒的に多数である実態は批判し続けないといけない。しかし、それとは問題が別である。不正により勝てる者が存在することが悪いのであって、その不正な勝ち方をチンピラだから不可能というのは不当ではない。
 つまり、司法が公正だと勘違いしてはいけないということだ。負けている奴はチンピラだからで、負けたことは相当だが、同じことしても不正で勝つ者がいるから、ここが問題なのだ。

 ところで、社会的地位によって不正も正当になると説いたのが、自殺した西部邁だった。リクルート疑獄事件で、未公開株の譲渡は贈収賄を偽装したものだと問題になったが、そのさい西部邁は、そんなことあくまで経済行為だと言い出し、スクープした朝日新聞や追及する国会議員らを非難した。そして、彼のいつもの持論である、社会的地位においてエライ人にとっては普通と違うことをするのも特権であると説いた。
 これは雑誌の四コマ漫画で、からかわれていた。その持論を説く西部邁が、続けて渦中の人であるリクルートの代表者に「というわけで江副さん、私にも未公開株をください」と言うのだが、江副さんは「たかが元東大の先生とかマスコミに出ている程度の人なんかに未公開株はあげられませんよ」と言う。

 こういう勘違いのチンピラってのは色々なところにいるものだ。



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by ruhiginoue | 2018-03-09 16:11 | 司法 | Trackback | Comments(0)
 ここで3月2日に触れた銀座ファースト法律事務所と田中清弁護士について、ネット上で変なことを書いてオマエのせいにしてやるが止めてほしければオレに金を払え、という意味のことを某者から度々に言われたことがある。
 これは要するに恐喝をされたわけだが、その手口というのは簡単どころか陳腐なもので、オマエの仕業のように見せかけて誤解されるようにしてやるぞ、という程度のものであった。また、そいつに言わせると、銀座ファースト法律事務所の田中清弁護士はマヌケだから引っかかるに違いないらしい。
 この評価ないし推測が妥当か否かはともかく、恐喝は犯罪である。

 ところが、この犯人とは精神病によって生活保護を受けている男だから、訴えられても賠償金を支払えない。それで開き直っているのだ。前から、ネット上での中傷誹謗や実生活での暴力や傷害といった事件を何度も起こしており、そのたびにそいつの親が賠償金を支払っていた。成人しているのだが、自分では責任をとれないのだ。そして生活保護になったので、もう親に迷惑をかけずに犯罪ができるという態度である。
 この他にも、そいつは女性に対して執拗な嫌がらせをして金を請求するメールを送信したり自宅に押し掛けたりの事件も起こしており、このため危険を感じた女性は転居した。
 
 では、刑事事件になるかというと、精神病という問題がある。だからここでも実名を出せない(裁判では出せるが)のだ。警察も、女性に対して恐喝ではなくストーカーと認定して監視している。
 そいつは傷害事件を起こしたことで治療費と慰謝料の請求され、この訴訟の記録により、事件に居合わせて目撃した人たちの存在を知ることができた。そして目撃した人によると、その時そいつは顔が瞬時に変わってビリーミリガンのようだったそうだ。そしてウォーッと奇声を発して襲い掛かったという。
 この調子だから、彼はネット上でいろいろな人に成りすましている。これに騙されてしまった人がいて、どっかの私立大学の教授もその一人である。もちろん、ちゃんと確認しないのが悪いが、しかしビリーミリガン状態だから演技という感じがしないのだろう。

 そういうことだから、ネット上での成りすましには要注意である。そうとは知らずにウッカリ受け売りしては自らが責任を問われてしまうのだから。
 かつて、メールが来たので本人かと確認の意味で言ったら、内容からしてオレに決まっているじゃないか失礼な、と怒った人がいたという話をしたが、それらしいことを言うのは案外と簡単であり、しかもビリーミリガン状態だと嘘くささを読み取りにくいものだ。この失礼だと怒った人は成りすまし被害への認識が乏しいのだろう。

 とにかく、ほんとうに危険だからご用心である。


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by ruhiginoue | 2018-03-05 16:08 | 司法 | Trackback | Comments(5)
 かつてバイトをするようになった最初のころ、ある職場でしつこく、こう戒められたことがある。

 「よけいな仕事を増やすな」

 これは、横着すると後始末をしなければいけなくなり、かえって忙しくなるという意味だ。

 これを思い出したのは、朝日新聞社が従軍慰安婦の記事のことで嫌がらせも同然の訴訟を起こされたが勝訴したという報道のためである。

 この裁判は、一審も二審も朝日新聞社の完全な勝訴であるが、このあと最高裁が異常に政治的とならない保証はないし、それ以前に、裁判で勝訴したから名誉が回復されたというわけではなく、もともと訴えを起こした人たちは、その訴えの内容からして、いいかげんでも何となくでもいいから印象を貶めてやればいいという意図であることが明らかだから、法的な救済を司法に求めるのではなく政治的であり、この点では朝日新聞社の完敗だと観る人もいる。

 それ以前に、そもそもこれは朝日新聞社にとってまさに「余計な仕事」である。政治的な圧力に屈して従軍慰安婦の記事のうち「吉田証言」を報じた部分を取り消したことで、従軍慰安婦の記事はすべて捏造であったと騒がれてしまった。そんな意味にはならないと後からいくら反論したところで、もともと「朝日新聞の捏造」と叫ぶ人たちには知ったことではない。
 だいたい、従軍慰安婦でも吉田証言でも、他の新聞だって取り上げていて、取り消したりはしていない。そこには読売や産経も含まれている。それでも「朝日新聞の捏造」と喚くし、これ以外の件でも、朝日新聞ではなく他の新聞やテレビの報道なのに「朝日新聞の捏造」と言う連中である。

 これが一部の変な人やバカな人だけではなく、総理大臣ら政権の中枢までそういう人であり、だからそれに媚びる人や、いつも卑劣な池上彰のように朝日新聞にインチキ非難したかと思えば他のメディアを批判してみせて同時にしっかり政権には媚びるというお調子者の電波芸者がいたりする。

 このあたりは拙書『朝日新聞の逆襲』(第三書館)で詳しく述べたとおりだが、そういう状態で圧力を受けたところ安易にやり過ごすつもりでいた朝日新聞社は付け込まれたのだ。

 おかげで、本来はしなくてよかった余計な仕事が増えてしまったのだ。


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by ruhiginoue | 2018-02-10 15:34 | 司法 | Trackback | Comments(0)

 このあいだ、遺産相続の法律について語り合っていたところ、「遺留分制度」の話が出た。この遺留分とは、法定相続を受けられる立場の人が遺言によって受けられなくなった場合に、一定の割合で遺言の効力を否定して法定相続分から取り戻せる一部のことである。

 まず、自分の財産を自分の死後にどうするかは、遺言によって自分の好きなように処分できると法律で定められている。だから、子供が複数いたら気に入った子供に全部または多くを与えて、そうでない子供には少なくするとか全然やらないとか、全部を愛人とか愛人の子供に与える、というようにすることができる。

 しかし、それでは残された家族にも「親孝行したはずなのに」とか「愛人の子供だけなんて」とか言い分があるだろうし、現実の問題として生活が不安定になってしまうこともある。
 そこで、遺言によってどう財産が分配されても、残された家族は遺言で他人の手に渡る財産から法定相続の一部を取り戻す権利が法律で認められている。

 また、極端な遺言により財産をめぐって遺族の間で憎悪が発生しても困る。あの『犬神家の一族』のように。
 この話では、信州財界の大物・犬神佐兵衛が莫大な財産を残して死去すると、その遺言状には、恩人の孫娘だからと佐兵衛が可愛がっていた野々村珠世に全財産を与え、そうする条件として3人の孫息子の中から配偶者を選び、そうしなければ相続権を珠世は失い、ただし3人が死去した場合は無条件で珠代に全財産を与える、などと規定されていたから犬神家の一族は騒然となる。そして、遺族の間で骨肉の争いとなり、おどろおどろしい発展をしていくーという話の展開なのは周知りとおり。




クリックすると、その場面に。


 しかし、ここから話は映画化のことに及んだ。相続人の珠世は絶世の美女ということになっている。そうするのが小説では当たり前かもしれない。
 しかし、これについて話していたうちの一人の女性が言った。それなのに、なんで映画化のリメイクだと珠世の役は松嶋菜々子なのか、と。
 そう言われてみれば、そうかもしれない。言われるまで意識していなかったが。



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by ruhiginoue | 2018-01-14 11:56 | 司法 | Trackback | Comments(1)
 1995年の東京都庁爆発物事件で殺人未遂ほう助罪に問われたオウム真理教の元信者・菊地直子被告の上告審で、最高裁第1小法廷(池上政幸裁判長)は裁判官5人全員一致の意見で検察側の上告を棄却する決定をしたとのこと。
 これで、裁判員裁判で懲役5年とした1審判決を破棄して逆転無罪を言い渡した東京高裁の2審判決が確定する。

 この裁判で菊地元信者は、事件で使用された薬品を運搬したことを認めながらも、しかしそれが爆弾の原料とは知らなかったとし、無罪を主張した。
 そして最高裁の小法廷は、有罪とした一審の判断について「事実認定で飛躍や過剰な推認がある。不合理と言わざるをえず、破棄を免れない」と批判。この地裁判決を覆した高裁判決については「地裁判決の事実認定の不合理さを具体的に指摘しておらず問題だが、無罪とした結論は是認できる」と支持した。

 かつて最高裁は、裁判員が参加した裁判の認定について覆すには、それが経験則や論理に反していることを具体的に指摘しなければならないと判示していた。なので、その点を二審判決は欠いているが、結論には影響しないということだろう。
 また、それが被告人の利益となる結論であるから、結果が正しいならよしとすることに理があるということだ。

 こうして、結局は無罪が確定したが、これまでマスメディアは警察が疑いをかけた段階で犯人と決めつける報道をしていて、これが今また批判されている。単に結果論ということではなく、そもそも最初から犯人視する報道は許されないので、マスメディアは批判されているのだ。
 それに、この問題とは別に、前からずっと、テレビはこの事件の扱いで視聴者から批判されていたのだ。この元信者が嫌疑をかけられた当時から、陸上選手として活躍していた写真とともに「走る爆弾娘」とワイドショーが騒いだためである。
 これには多くの視聴者から「テレビは不真面目だ」と批判が起きていた。面白おかしくするつもりだったのだろうが、これは深刻な事件であるのだから、そういうことをしてよい話ではないし、そもそもそんな悪ふざけをしたところで、ちっとも面白くない。

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 そして当時から、新聞のラジオテレビ欄の投書欄に載った視聴者の意見でも指摘があった。悪ふざけならとんでもないことだし、こんなことをして面白いと本気で考えているのだとしたら、テレビ番組の製作をしている人たちは視聴者を舐めているかバカにしているかだ、と。

 このオウム真理教事件のあたりから、テレビがつまらないうえ不愉快だとよく言われるようになり、そしてしばらくしてインターネット時代が到来したら、テレビを全く見ない人ばかりになったのだ。




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by ruhiginoue | 2017-12-28 20:06 | 司法 | Trackback | Comments(0)

人の命を人が決める

 犯行当時は未成年だった犯人の死刑執行があり、これについて、親や生育環境の影響が大きい時期の犯行なのに更生できないと決めつけてはならないと批判する弁護士団体の人に対して、どこぞの大学の学長だという法学者は、犯行の内容から更生は不可能だから死刑にすべきであり執行を評価するという意見を表明していた。

 この犯人がどうなのかとは別に、批判している人は、その意見の当否とは別に、いちおう人の命を奪うことに反対してのことだ。
 ところが、逆に死刑執行した国の対応を評価するという人は、人が、それも国家権力が、人の命を奪うことについて肯定してのことである。そして、それは更生できない人だからと言う。この意味は、ちゃんと考えたほうがいい。

 つまり、裁判なんてかなりいい加減であることは常識で、特に日本の法曹は水準が低くて冤罪ばかりなのは周知だが、この問題を別としても、しょせん神ならぬ人のすることだから、どんなに慎重に緻密に行っても、まだまだわからないことがあるものだ。
 それでも、いちおうはっきりさせるとか白黒つけるとかしないといけない。ただし、これが他の問題なら仕方ないけれど、人の命について、生きている価値の有無を人が評価して奪うべきかどうか云々できてしまう人の感覚には恐怖や戦慄を感じざるを得ない。

 これは法曹だけではない。医学と同じことだ。
 前に、医師であったが辞めて別の仕事をしているという人が、医学部の教授の発言について、非常に違和感を覚えたと言い、そのことを本に書いて出版していた。その医学部教授は、臓器移植と脳死の問題について、生かしておく価値が有る者と無いものという発想で話していたので、よくそんなことが言えるものだと、元医師は驚いたと言う。
 もちろん、脳死して意識もないのだから生きているうちに入らないという話について、その元医師は医学部教授に反論するほどその分野に詳しいという自信は持てなかったが、自分とは違い自信を持って意見している人の、その自信を、どうしても受け容れられなかったと言う。

 このように、人の命について、神ならぬ人が、なにか偉い専門家だからと自信たっぷりに、価値を決めたり判断したりして、権力によって殺しなさいとか言うことが不気味なのだ。



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by ruhiginoue | 2017-12-20 17:14 | 司法 | Trackback | Comments(4)
 NHK受信料制度が契約自由を侵害する憲法違反であるか否かという問題で、最高裁が15人の裁判官全員を揃えた大法廷で判断するというので注目されたが、これにより最高裁の限界が露呈する結果となった。

 すでに、NHKの受信料については問題の指摘がいろいろと出ているので端折り、そのうえで最高裁の判断司法の問題をここで分析してみる。

 この裁判で最高裁は、まずNHKが勝手に契約したことにしてしまうことは許されないという判示をしていて、これについてはNHKを批判して運動してきた人たちが注目している。
 そして、テレビを設置すれば契約する義務があるということは公共性の観点から合憲であると判断した。これに対して、現実はNHKが公共性などまるで無視しているのに契約を強いているではないかと多くの人が憤っている。
 だが、これはあくまでNHKの実態が問題なのであって、制度について法的な問題を最高裁が判断するさいには言及できない部分である。

 こうなると、あとはNHKの契約違反をどう問題にするかである。
 このNHKとの契約について、過日このblogで紹介したとおり、NHKは契約について勝手に作成したひな形を各役所に送り付けて市民に渡せと権限もないのに命令している。そして、その内容には非常に深刻で重大な不正がある。
 この指摘をして、そんなものは使用しないように地元の役所に進言したところ、役所のほうでも聞き入れ、問題のある部分は塗りつぶしてから市民に渡すことにすると返答した。こういうことがあることを前にここで紹介した。

 そうしたら、最高裁判事の中で弁護士出身の鬼丸かおる裁判官は、契約を義務付けるならNHKが勝手に契約内容を決めてしまっている現状は問題だから法律を定めるべきだと意見していた。
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 昔、「毒親」に苦しむ少年に無料法律相談してくれた弁護士が、最高裁判事に出世してから制約が多い中で変節せず良識を発揮してくれることがあったので安堵していたが、今回は自分が問題にして役所に言いに行った話を意見してくれたので、少々救われた気がした。

 しかし、最高裁の判決がダメであることは変わらない。当事者らも、これでは何のために大法廷に全裁判官を集めたのか、意味がないと批判していた。多数意見が押し通され、これに難があることを見抜いた一部の裁判官ら(学者出身と弁護士出身の女性二人)が、それぞれ意見を付け、その他一人だけ部分的に反対、という具合で、まるで合議になっていない。

 これは制度の不備なのか、それとも最高裁が怠慢で判断から逃げてばかりいたため、いざというときに議論することができないのか、どちらかだろう。
 また、最高裁は、テレビに公共性がまだあるという前提に立っているが、そんなもの今では通用しないという時代の変化について、まるで認識がないようだ。
 しかし、これはメディア論の範疇であるから最高裁は対応できない。できるわけがない。無理なのだ。

 ということで、NHKの受信料訴訟は、NHKの抱える問題(これを言ったら際限ない)とは別に、法的見地に絞っても、最高裁にとってしょせん限界なのだ。それが露呈した。



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by ruhiginoue | 2017-12-07 15:48 | 司法 | Trackback | Comments(3)
 映画『それでもボクはやってない』で、逮捕された主人公が検察官からいきなり「俺は騙されないぞ」と言われる場面があったが、あれは検察官の職業病のようなものだと言われる。検察官は警察官と違って司法試験に受かっているから頭の程度が違うのだという自負と虚勢が混ざった感覚が、あのような態度をとらせるのだと指摘する弁護士は多い。

 一方、検察官だった人によると、良識派の人は損をする仕事だと言う。その点で、堀田力というマスコミにもよく出る元検察官が体験を話していた。この人は他の元検察官に比して良心的だったという評判があるが、何度も騙されたと率直に語っていた。
 そのうち、困っている人にお金を貸してあげたところ一度だけ、踏み倒されたけれど実はその人が死んでいたためだったと後で判ったということがあったそうだ。これには驚いて、騙されたのではなかったことは良かったけれど残念なことでもあったという複雑な気持ちだったそうだ。
 それ以外では、よく嘘をついている人に出くわして不愉快な思いをしたけれど、そういう人は嘘をついている意識がなく、本当ではない話を本気で信じて話をしているものだと言っていた。

 この、本当ではない話を本気で信じているというのには色々と原因があるだろうが、そのうち、精神病による妄想の人によってネット上で嘘を書かれたから裁判に訴えたという話を、このブログでしたことがある。
 その人自身が精神病であるが、確実な証人がいるので嘘ではないと抗弁したからその証人が法廷に呼びだされたところ、その証人も精神障害者で手帳を所持していて、しかし証言はちゃんとできると言うので証言させたら奇声を発したり証拠の写しをひったくって破ってしまったり滅茶苦茶で、裁判官も書記官も廷吏も傍聴人も呆れたり怖がったりであった。
 これにより、その被告には賠償命令の判決となり、そのとき被告は「精神障害者の証言だから信用できないとは差別判決だ」と非難していたが、控訴を取り下げて賠償金を支払ってきた。ただ障害者だから信用できないということではなく、証言の内容が信用できるものではなく、しかも証言のとき態度が正常ではなかったというものだったからだ。

 ところが、支払ってきた額が正確ではなく少なかった。それを指摘したところ、その元被告は逆ギレして嫌がらせをしてきたので、それが住んでいる古いアパートの大家や仲介の不動産屋に敷金の差し押さえができることを通知するなどの対応をした。また、精神病ということで地元役所の福祉担当にも相談した。
 それからしばらくしたら、何か言われたのか残りの支払いをしてきた。これでいちおうは解決だが、この人の病気は悪化の一途らしく、まだ嘘を話している。そのときは本気だから、事情を知らない人は一時的に信じてしまう。しかしすぐ気づく。

 どうやら聞くところによると賠償金は母親に出してもらったらしい。成人していれば親の責任ではない。むしろ、困ったら泣きつくということをして、それで尻拭いのようなことはしてやるから、甘やかす結果となるようだ。
 しかし、こうなると他所様の話である。支払いが済めば無関係となる。
 あとは、なにかあった場合にだけ、騙されないようにと他の人たちに指摘してやることだ。もっとも、これはネット上のことで、実生活ではすでに誰からも相手にされていないらしい。

 こういう人がいるのだから、ネット上だけの話には要注意である。




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by ruhiginoue | 2017-11-30 22:28 | 司法 | Trackback | Comments(1)