井上靜の気楽ゆえ率直な日誌です。気楽にコメントしてください。おたよりも同様にe-mail:ruhig@outlook.jpまで


by ruhiginoue

カテゴリ:国際( 416 )

 ロシアの民話や、それに基づく寓話に出てくるイワンのバカは、純粋無垢というか天衣無縫というかなので幸せになるし世の中のためにもなるが、日本のバカは違う。

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 これは他でもない安倍総理のことだ。世界各地にバラマキをして、これではただ相手が喜ぶだけと決まっているのに、「外交の安倍」とか、世界で最も影響力のある人たちの中の一人に選ばれたとか、自画自賛している。これも進展しない拉致問題と同様に、自分で言ったのではないと後から言い出しそうだが。
 そしてロシアには何千億円もくれてやる約束をして、だから領土問題が進展するかと思ったらそうではなく、北方領土(ロシアでは南クリル諸島)にスホーイ戦闘機(これは航空自衛隊も使っているF15戦闘機と空中戦をしたり、アメリカの長距離巡航ミサイルを迎撃したりするためにソ連時代に設計されたものの発展型といわれる)などが配備され、ロシアに軍事力増強を誇示されてしまっている。
 
 また、日本各地が災害で大変な今、北海道にたった五億円で、さっさと安倍総理はロシアに行ってしまった。もともと安倍総理はプーチン大統領に待たされてばかりで、『巌流島の決闘』の「遅いぞ武蔵」みたいにコケにされているのだ。
 そのうえ、平和条約を締結しようとプーチン大統領に言われたなどと何か良い成果であるかのように言うが、それは無条件で、つまり問題を解決ではなく問題が無いことにされてしまうということなのだが、その意味がどうも安倍総理の脳では理解できないらしい。

 だいたい、沖縄のアメリカ軍基地があれだけ反対されても、それを弾圧して強引に建設するのだから、地理的にロシアが警戒している当地に軍事施設は建設しない条件で領土を日本に渡すということにしても、そんな約束はあっさり反故にされるに決まっているのだから、ロシアが領土問題の交渉を拒絶するのは当然だけど、これも安倍晋三という人の脳では理解することが無理なのだ。

 だから、イワンのバカと違って晋三のバカは国にとっていいこと一つもないのだ。






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by ruhiginoue | 2018-09-15 18:44 | 国際 | Trackback | Comments(1)
 アメリカの政治家だったマケイン氏が死去したそうだ。

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 最初、彼には良い印象だった。彼は元軍人で、ベトナム戦争で乗っていた軍用機が墜落して捕虜になり、コネやツテで交渉して捕虜交換を早めることもできたのに、それをしては他の方たちに申し訳ないと言って順番通りにし、こうしたために負傷の治療が遅れ、彼は身体に障害が残ってしまった、という話は美談として伝えられていた。
 また戦後は何度もベトナムを訪問し、関係改善に尽力したそうだ。

 しかし議員からさらに大統領を目指すと、選挙でマケイン候補は600万ドルの巨費を投じてオリンピック開催中のテレビに広告を流す権利を獲得したという。サイボーグじゃないけれども600万ドルの男である。
 しかも、晩年の彼は、軍から軍事産業への天下りを問題にして正義の味方のようでいて、その一方では戦争を積極的に推進していてかなり汚いことしてることを告発されていた。

 もともと良い印象だったのは、CBSドキュメント60minuteのような、アメリカの正面玄関からの情報によってもたらされたものだと後で気付いた。

 あと、選挙の際、人種差別主義者の人が、オバマが大統領になるなんて心配だと言ったらマケインさんはそれをたしなめて「もちろん自分が立候補してるんだから大統領には自分がなりたいし、オバマさんに大統領になってほしいと思っていないけれど、彼はちゃんとした人物なので、なったから心配と言うことはありませんよ」と言って、人種より人柄ですよとたしなめた。これに不愉快そうな白人たちがいたけど、マケインさんは立派だなと評価されていたことがあった。
 これを、例えば朝日新聞の記者などが蒸し返して、マケイン氏は共和党の良心だったと、甘いこと言っている。

 しかしこれはテクニックである。例えばアメリカのテレビドラマでも、マーチンシーンが扮する大統領に対して、彼のリベラル姿勢を共和党の応援演説が「左よりだ」と罵っていたのに対して、共和党の候補者は「でも彼を私は尊敬しています。もちろん政策に関する考え方は全然違うけれども、彼は誠実だったから務まったのです。私も大統領になったら彼のように誠実に務めたいと思います」と言う。
 これをテレビで見ていたマーチンシーンの大統領は「うまいこと言いやがって。これで無党派の票を100万ぐらい、かっさらっていきやがった」

 つまり。死んだから美化してはいけないと言う以前に、メディアに作られたイメージを捨てて自分の認識を修正しなければならなかった、ということである。


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by ruhiginoue | 2018-08-27 17:01 | 国際 | Trackback | Comments(6)
 今の政権は、国内の災害とその被害者の救済より、外資のための水道民営化やカジノの法案を強行採決しているけれど、これは世界の流れの中の一環であり、日本だけが変なわけではない。

 ただ、イラク、リビア、シリアなどと違って、日本は戦争になってないだけである。日本はもともと傀儡政権なので、傀儡政権を作るために欧米が軍事介入をする必要がないのだ。

 だから、これだけ不祥事があって批判を受けている政権が、選挙で勝ち残る。しかもそれは、つい5年ほど前には政権を担っていた最大野党が選挙の直前になって突然に消滅するなどの事態となったためである。まさに、手のひらの上で踊らされてる状態だ。

 そのため、国会が混乱しようと、一般国民が深刻な状態であろうと、安倍総理ら政権の中枢にいる人たちは、常にへらへらと笑っている。
 これで思い出すのは、ポーランドの映画『鉄の男』である。当時、ソ連の傀儡となっている政権下、抵抗する市民を弾圧する役人は、いつもヒッヒッヒッと笑っていた。

 だから今の日本はすでに外部から侵略されている状態なのである。

 これを、マスメディアを通じて論じたのが拙書『朝日新聞の逆襲』である。

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 その内容に全然合わないレビューがアマゾンにあって、しかもそれが、おかしな出版社の宣伝になっていて、その直後にその出版社が倒産するオマケ付きであった。






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by ruhiginoue | 2018-07-27 18:20 | 国際 | Trackback | Comments(0)
 1992年にアメリカで、十代の日本人留学生が射殺された事件があった。ハロウィンの仮装をして訪問する家を間違えて、怪しまれたためだった。銃を向けて「動くな」と言ったのに近づいてきたから撃ったので仕方なかったという弁解だった。微動だにせず凍り付いたようにしろという慣用句「フリーズ」を「プリーズ」と聞き間違えて「どうぞ」だと思ってしまったのではないかとも言われた。
 ただ、撃った男は事件当時に飲酒していて、他のことでも危ない感じの言動があったから、そんな人の家に行ってしまった不運もあった。

 この事件のため、アメリカとはそんな国だから、文句があるなら行かなければいいと、当時は各地で言われていたものだ。これは日本側からアメリカを悪く言っている場合と、アメリカ側に立って開き直って言っている場合とがあった。

 しかし、大騒ぎしている日本と違いアメリカでは「またか」という程度だったが、一方ではアメリカとしても気になることがあったそうだ。
 この当時、アメリカは外貨獲得のため観光の宣伝に力を入れていて、ブッシュ大統領(父)が自らテレビの宣伝に出演して、風光明媚な映像を紹介しながら、観光旅行に来ませんかと日本人に呼びかけていた。この当時もの心ついていた人は、その放送をよく見ていた。なのに、アメリカ人はすぐに銃をぶっ放すということでは、観光客が来なくなってしまう。だからアメリカでも問題になっていた。

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 このように国を挙げて外国に観光宣伝するのは、言うまでもなく経済的に有益だからで、今は日本も外国からの観光客を歓迎している。
 かつて農協のツアーが各地で顰蹙を買っていたように、中国の田舎者たちが来てマナーが悪くて困るけれど、それでも金を使ってくれるから我慢している。

 ところが、そこへ悪影響しているのが、あの元TBS記者の事件である。これが海外で報道されると、性暴力の被害を訴える女性が、検証と称して男性警官たちが見ている前でその時の恰好を再現させられるなど、ひどい屈辱を受けたことが驚かれた。
 そのため、すでにヨーロッパでは、観光旅行で行こうと考えていた外国から日本は除くと言い出す女性が出ているそうだ。

 だから、この問題は経済など国益の観点からも考えるべきだろう。



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by ruhiginoue | 2018-07-04 17:31 | 国際 | Trackback | Comments(3)
 ロシアとクリミア半島をつなく橋が開通し、その式典で初通行するトラック隊のうち一台にプーチン大統領が乗って自ら運転して渡ってみせた。
 ところが、この映像を見た人たちが、シートベルトをしていないのではないかと騒ぎ出した。この見た限りでは隠れた状態なのでどちらともいえない。
 また、トラックの運転免許を持っているのかという疑問も出たが、これについてロシア大統領府の報道菅は、20年前に取得していると説明したそうだ。
 もともとプーチン大統領は自動車の運転はしている。ジェット戦闘機の操縦までできるが、これはかつてKGBに勤務していたからだ。よくアメリカのCIAやFBIのライバルとみなされたので、諜報機関とか秘密警察とか言われたが、実際は軍の組織の一つだった。日本では陸上自衛隊が大型免許を取得できると勧誘していて、実際に退官したあと運送業になって大型トラック運転している人たちがよくいる。

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 この大型トラック無免許運転疑惑といえば、かつて菅原文太が『トラック野郎』の撮影で、公道でロケしているとき警察が監視していたそうだ。
 その原因は、単に菅原文太が大型免許を持っていないからではなく、映画に警察が反感をもっていたためらしい。いつも最後に、人や荷物を大急ぎで運ばないといけなくなって「こうなったら一世一代のスピード違反だ」と菅原文太が言って一番星号で突っ走り、追いかけてくる警察を振り切り、そのさい転倒するパトカーや白バイの様子を面白おかしく描写しているから、警察としては不愉快だったらしい。

 あと、『トラック野郎』は、もともと主人公の相方役の愛川欽也が、アメリカのテレビ番組『ルート66』のセリフ吹き替えをしていて、そこから発案したそうだが、このシリーズが終わったら、アメリカ映画『コンボイ』がヒットし「♪Come on join us convoy」というサントラ盤が売れていた。
 これら映画の影響で、大型トラックの電飾と無線が流行り、よく違法行為もあった。それがロシアでは大統領に疑惑というわけだ。


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by ruhiginoue | 2018-05-24 10:32 | 国際 | Trackback | Comments(2)
 朝日新聞は、トランプ政権下のフェイクニュースを騒いでおいて、その政権がシリアを攻撃したら前からやってきたのと同じように戦争翼賛報道をはじめ、これに批判があるとロシアのプロパガンダに影響されているという根拠なき誹謗を今までと同じく記者たちが自らツイート又はそれが商売の人の受け売りリツイートをする始末であった。

 つまり朝日新聞は、いつも熱心な戦争翼賛報道について、ネトウヨや工作員どもが朝日新聞を中傷するさいに「裏に中国が」みたいにしていて、また、昔の文芸春秋がやっていた元KGBレフチェンコ告白「日本の新聞を操作した」とか言うのと同じことを、今では朝日新聞の記者たちが逆にやっている。
 これは90年代の湾岸戦争のころから始まった。当時からすでに指摘がされていたけれど、その批判や危惧など朝日新聞社は意に介さず、どんどんひどくなった。だから、朝日新聞の特に国際面は対米従属一辺倒で振り回されているから、つじつまが合わないことばかりになり、朝日新聞の過去の記事すら今と整合性がない。結局これも、従軍慰安婦の吉田証言と同じで、圧力によって過去の報道を取り消しているということだろう。

 この同時期には、今も朝日新聞を中傷する商売をしている花田紀凱が文春にいて、ユダヤ資本を怒らせたせいで雑誌をつぶされている。そして追われるように退社したのだった。
 こうした状況の中で、朝日新聞に限らず大手マスコミの中東イスラム圏の報道が、ことごとくNATO軍記者クラブの垂れ流し報道となっている。
 だから、この背景にある事情は推して知るべしだ。

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by ruhiginoue | 2018-05-09 18:21 | 国際 | Trackback | Comments(0)
 文在寅大統領に会いに来た金正恩委員長の服装は儀礼用の制服みたいだから何も言われてないが、前に金大中大統領が訪問したのを出迎えた金正日委員長の服装は、当時テレビで見た人たちから色々と言われたものだった。女子高生が「清掃会社のおじさんが着ている作業服みたい」と言っているのを聞いて、同感だった。
 その前はもう少し儀礼用という感じがするデザインの服を着ていたが、次第に着なくなったということだ。年代を追って服装を見比べるとわかる。

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 さて、これで朝鮮戦争が正式に終わると期待されているが、もちろん上手くいくとは限らない。そこで「北朝鮮に騙されるな気をつけろ」と紋切型を叫ぶ者がいるけど、これは逆だ。現実を直視すれば北朝鮮こそ欧米に騙されないように気をつけないといけない。前にも、日本が外交を進めたらアメリカが付け込んできて、これに金正日委員長が「不意打ちを食らわされた」と言ったとも伝えられるように、態度を硬化させた。

 しかも、イラク、リビア、そしてシリアのことがある。欧米に妥協すると必ず早速の攻撃を受ける。
 このことは欧米メディアの受け売り垂れ流しばかりの日本マスコミでは取り上げないが、ロシアのメディアは盛んにとりあげていて、これを平壌でもみんながテレビで見ていたそうだ。外国人でもすぐ目つくほどだったと、行った人から聞いた。この認識の落差が理解を妨げているが、理解できていないのは日本人の方である。

 そして実際に、南北融和のお祝いムードの一方で、オーストラリアとカナダ軍用機が日本に派遣されることになり、いわゆるきな臭いことも進行している。
 さて、金正恩委員長らは騙されずに交渉できるだろうか。これからが見ものである。まだまだ祝うには遠い。


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by ruhiginoue | 2018-05-01 18:26 | 国際 | Trackback | Comments(5)
 先の20日、アメリカのTIME誌が2018年「世界で最も影響力のある100名」を発表し、Leaders(指導者部門)では、アメリカのトランプ大統領や中国の習総書記とともに日本の安倍首相が含まれていた。日本からは他に孫正義氏で二名だった。安倍首相の名が本リストにあがったのは2014年以来4年ぶりで、オーストラリアのターンブル首相が「安倍氏の自信に満ちたダイナミックな指導力が日本の経済と繁栄をよみがえらせた」と寄稿した。

 これが不可解なのは、落ち目どころか死に体とかレームダックとかの状態になってから再登場したことである。また、地球の裏側の豪州首相が、日本のことを解っているのかも疑問であるうえ、空々しいお世辞である。
 しかし、日本ではなく諸外国からすれば、安倍総理こそ最高の総理大臣であろう。まさにネギを背負ってやって来るカモであるのだから。
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 かつて80年代に中曾根康弘総理が、ロナルド=レーガン大統領と互いに「ロン」「ヤス」と相性で呼び合う関係になったと誇った時、それでも対米従属じゃないかと批判されたけれど、それどころか安倍総理は各国の大統領たちに媚びたうえで一方的に「ウラジーミル」「ドナルド」と呼んでは無視されている。
 これでは無様だが、その自覚が安倍総理にはないのだろうか。

 いつも外交で安倍総理は、金をばらまいてただ相手を喜ばせて交渉になっていない。これで相手国はカモネギの安倍総理に大喜びする。それでリップサービスだって当然やる。この部分だけ取り上げて、日本が大金を失うばかりで何の外交成果も無いことは隠すと、外交でいつも世界中で成果をあげている安倍総理と印象づけられる。
 こんなことができるのは、NHKなど日本の主要なマスコミの幹部たちと会食してはゴチソウとともに圧力をかけているからだ。
 この一方で、日本の報道の自由は懸念され、世界の報道の自由度ランキングが安部内閣になってガクガクと低下している。そんな国の首相なのに、持ち上げる外国としては、よほどオイシイということになる。

 だから、欧米メディアの報道や論調を真に受けてはいけない。自国にとって損か得かによって、現実を無視し、平気で持ち上げたりこき下ろしたりするのだから。
 なのに、安倍総理に反対する人が評価に疑問ありとしながら、同じ欧米メディアから逆に貶められているプーチン大統領やアサド大統領や金委員長らへの評価は鵜呑みにしている人たちが大勢いる。欧米メディアが安倍総理を絶賛していて現実と違うと怒るなら、アサド大統領は逆に良いのではないかとまでは言わないにしても、実際には知らないのだから評価してはいけないし、どんなに悪いと仮定しても、欧米メディアとその受け売りをする日本の大手マスコミが言うほどではないし、逆の可能性すらある、というように考えなければならない。


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by ruhiginoue | 2018-04-25 12:47 | 国際 | Trackback | Comments(3)
 ついに米英仏がシリアを攻撃し始めたが、トランプ大統領としては、強硬な口きいて不実行と国内で責められたり、英仏から不満が出たり、では困るから、内心では消極的でも、いちおうやっておくはずだから必然的である。
 
 この件でトランプ大統領を非難する人たちがいるけど、けしかけているのは英仏である。イラク攻撃はブッシュ大統領というのとは事情が異なる。
 また、欧州ではドイツとイタリアが距離を置き、戦争に不参加を表明した。リビアの時は国内の反対にもかかわらず米英仏から強硬な同調圧力がありドイツは協力を強いられ煮え湯を飲まされていたから、こんどこそ我慢できないということだろう。イタリアの場合、リビアは目と鼻の先でローマ帝国時代には植民地だったうえ、ムッソリーニのファシスト党政権に抵抗したので殺したレジスタンス・オマー=ムクターと同様にムアマル=カダフィは抹殺したい不俱戴天の仇だったが、そういう事情がシリアには存在しない。

 この軍事攻撃の大義名分について、西側諸国にはマスコミ報道とSNS情報しか存在しないとロシアのラブロフ外相が指摘しているが、そもそも米英仏の軍事介入の口実になることを軍事的に必要がないのにするのは考えにくいうえ証拠もない。第三者機関の調査が入る直前に、米英仏だけで証拠があると言って攻撃し始めたから、調査されては困るのではないかと疑いをもたれている。
 だが、いつも戦争に批判的な人でさえ米英仏側の一方的な主張を鵜呑みにして「アサド大統領は狂気の独裁者」と戦争プロパガンダの定石である「悪魔化」を口移しし、地域の歴史を隠蔽して被害者に寄り添うふりをする。反権力のジャーナリストとして活躍している人も同じ紋切型だ。シプレヒコールではなくジャーナリズムなのだから、相手がアサド大統領であれトランプ大統領であれ安倍総理であれ金正恩委員長であれ、このような表現とレッテル貼りをすべきではない。

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 いつも熱心な反戦主義者でさえこれだから、安倍総理など自民党が対米追随するのも当然のことだと納得させられる。
 それだけ、日本は敗戦コンプレックスが強く、またアメリカの占領政策がうまくいったということであり、おかげで辺野古では米軍基地の建設のため美しい海にコンクリートが投下され、上空ではオスプレイが轟音とともに飛び回るのだが、反対している人たちは無力なのだ。

 その象徴ともいえるのが朝日新聞である。森友問題では安倍内閣に一矢報いたが、一方では村中璃子を称え薬害被害者らを侮辱し、また池上彰と佐藤優の対談を乗せ、国際面では相変わらずのNATO軍記者クラブ垂れ流し情報と戦争の露払い記事だ。そのくせ社説ではシリアとロシアを非難しながら、トランプ大統領に「武力では解決しない」と上辺だけ取り繕い、実に空々しい。
 この欺瞞に気づかない人が多すぎる。

 もっとも、国際面のひどさはどこも同じ。同じ情報源からしか知ることができないようにして各国の報道が金太郎飴になるよう、アメリカはイラク戦争からずっと体制を整えてきたからだ。これは20年以上前から日本でも元TBSの岡庭昇や元朝日新聞の本多勝一らに指摘されていた。
 ただ、最近は朝日新聞の戦争翼賛が特にひどいということだ。日本では中東やイスラム圏には関心が薄いから、変だと気付かない人が多いので問題にならないだけだ。北朝鮮のことも、かつて金日成首相がエジプトの「反アラブ主義」を支持したからアフリカ諸国で共感された、なんて朝日新聞GLOBEは書いてしまう。これは「反」ではなく「汎」だろう。panが語源の。エジプトのナセル大統領が提唱し、リビアのカダフィらが強く影響を受けたこと。誤変換にしても意味がまるで変わってしまう間違いだ。
 こんなお粗末なのだ。

 よく「安倍政権を批判する者は在日」とか「裏に中国」とか言う陰謀論に反発する者たちが、なぜかトランプ政権への批判は陰謀論ではなく本当に悪いとし、そんな悪い政権から悪いと言われて軍事攻撃されるシリアのアサド政権もなぜが実際に悪く、陰謀論はシリアの後ろ盾であるロシアの陰謀だと言って否定するのは、どうも視線が揺れて一貫性を欠き不可解であるが、これはおそらく今欧米で流行りの「野蛮国に軍事介入で民主化」というタカ派リベラルの影響だろう。ナショナリストが自国優先を主張するとエゴイズムだと反対し、人道の名のもとに外国に対し積極的に戦争すべきだと主張する。
 こういうタカ派リベラルを危惧したから、戦争告発映画をよく作るアメリカの監督オリバー=ストーンなどは、保守だが小さな政府として軍縮を求めるリバタリアンを応援し、また、さんざん批判してきたトランプを、それでもヒラリー=クリントンよりはマシと言ったのだろう。

 これらの問題を語っても、なかなか理解されない。特に中東やイスラム圏に力を入れてカダフィ語録の邦訳も出している出版社から朝日新聞の報道を問題にする本を出している者としては、一般と認識に齟齬があって当然ということで、ここは堪えるしか今のところないのだが。

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by ruhiginoue | 2018-04-16 12:43 | 国際 | Trackback | Comments(5)
 サルコジ元フランス大統領が身柄拘束されたと報じられている。リビアから不正に莫大な政治資金を受け取っていた疑惑のため、とのことだ。
 もともと、サルコジ程度の人が大統領になれるとは不可解だと言わていて、しかし潤沢な選挙資金があったという指摘と共に、その金は不正なものだろうと怪しまれていたのだ。そして、ついにリビアからの資金提供疑惑が本格化したということだ。

 この疑惑について、リビアの最高実力者だったカダフィ大佐(と、よく言われるが本当の階級は不明で、軍人だったのは確かだが、本人が言うには退役しているから軍の階級は無関係とのこと)の息子セイフイスラム氏が以前「私がサルコジを大統領にしてやったのだ。選挙資金を送った記録もある」とテレビのインタビューで明言していた。
 これは、もしサルコジ氏が大統領になったら、石油の合弁事業をうまく進めるため協力し合う条件で、リビアは産油国で外貨が豊富だから莫大な選挙資金を提供し、おかげで当選なんて無理そうだったサルコジが大統領になれたということだ。
 それがバレそうになって焦ったサルコジ氏は、証拠隠滅や口封じをしたかった。だからリビアをNATO軍が攻撃した時にフランスが率先していたのであろうと指摘されていた。

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 かつて80年代には、リビアとアメリカの対立が激かったので、リビアは核開発の研究をしていた。当時大ヒットしたハリウッド映画『バック・トゥー・ザ・フューチャー』で、タイムマシンに使うプルトニウムがリビアの工作員から騙し盗ったものだったのは、こうした情勢が反映していたのだ。
 そしてリビアの首都が米軍機に攻撃されるトリポリ爆撃事件もあった。兵器施設を破壊するためだとアメリカ軍は説明したが、のちにニューヨークタイムズ紙のハーシュ記者によって、実はカダフィ氏の殺害を狙ったものだとすっぱ抜かれた。暗殺は失敗で、爆撃の巻き添えで犠牲になったのは、カダフィ氏がイスラム教の精神により引き取って世話していた身寄りのない子供たちだった、という悲劇。

 このときフランスはアメリカを強く批判していた。それとは打って変わってフランスがリビア攻撃を率先するようになり、これは選挙資金提供の発覚を恐れたサルコジ大統領の意向ではないかと考えられていた。だから怒ったセイフイスラム氏が、その通りだし証拠もあるとテレビのインタビューのインタビューで明言したのだ。

 ただし、リビアは欧米との対決一辺倒を改めて核開発を放棄しており、そうでなければNATO軍に攻撃されることはなかった。やはり妥協したら付込まれると、ロシアのテレビなど盛んに報じていて、これは北朝鮮でも放送されていた。平壌に行った人がそう言っていた。そういうことなら、ミサイル開発や核実験のことも動機が容易に解る。

 しかし、これら既に海外で指摘されていたことが日本では報じられないから、世界情勢も国内政治も本質が見えてこないのだ。サルコジ氏拘束の報道も、ただリビアから不正な資金提供の疑いというだけで終わってしまっている。

 だから前から言っていたじやないか、という心境である。
 これはもちろん、拙書『朝日新聞の逆襲』で、こうした指摘をしながら報道のあり方を既に批判していたからだ。
 しかし、同書は後半の中東報道批判が、あちこちの出版社から理解されず、中東問題に力を入れカダフィ語録の邦訳も出していた第三書館だけが解かってくれた。
 なので、いまさらながら同社の代表である北川明様には、感謝の極み。


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by ruhiginoue | 2018-03-21 17:00 | 国際 | Trackback | Comments(3)