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井上靜のblog(網誌)です。下記の著書を購入して支援を頂けたら助かります。下記の他は別人や海賊版なので買わないでください。アマゾンのコメント欄に嘘の書評が書いてあるのは過日倒産した出版社の宣伝です。この種の輩に対抗する意味でも何卒よろしくお願いいたします。品切れのさいはご容赦ください。


by ruhiginoue

<   2012年 02月 ( 20 )   > この月の画像一覧

 最高裁としては珍しく常識的な判決だった。
 それは裁判員参加の刑事事件で、一審は無罪となったものを二審が逆転有罪としたが、それについて最高裁は、事実認定から一審判決を見直すなら、経験則や論理則の観点から問題があることを具体的に指摘するべきと指摘し、それがない二審は駄目だという初判断をして、再逆転で一審のとおり無罪とした。
 もともと、こうした高裁の逆転有罪には批判があった。新しい証拠が出てきて新しい事実がわかったというならともかく、同じ証拠で別の判断をしてしまうのでは一審の意味がない。
 しかも、この問題をおこす裁判官は、検察と馴れ合うなど権力にすりよってとにかく有罪という体質の者ばかりと断じても過言ではなく、そんな非道をしても、自分の方が官僚組織の中で優位に居るから許される、という劣情を抱いての特権意識を法廷で露わにしていたりする。
 これを最高裁は否定したのだから、珍しく良い仕事をしたというべきで、しかしそもそもこんなことは常識で考えても当然のことだから、これが初判断となってしまうことがむしろ裁判の体質として問題というべきなのだろう。
 それに、外国での裁判では、陪審員が無罪と判断したものを裁判官が有罪にしてはならず、なぜなら市民の良識による結論を官僚が否定することは許されないからで、しかし逆に陪審員が有罪としたものを裁判官が無罪とすることは許され、それは基本的人権の観点から被告人の利益をまもるためだからで、人権を守るプロの一職種である裁判官の義務なのだ。少なくとも「先進国」では、そうだ。日本は違うが。

 
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by ruhiginoue | 2012-02-14 22:26 | 司法 | Trackback | Comments(0)
 今、アメリカでは大統領選挙に向けて二大政党が活発な活動を展開している。
 似たような政党が似たような政策だから、選挙の結果がどうなっても同じということで、有権者はしらけてしまい、投票率は低下している。
 日本でも、政権交代はあったほうがいいけれど代わり映えしないのではないか、というのが現実になっている。
 そうなると、違わない政策ではその良さを競えないから、派手な宣伝で印象づけということになる。そのためには大金が要る。大金を寄付できるのは一部の大企業で、当然ながら見返りを期待しての寄付。それに政策が影響され、ますます有権者は政策に投票ができなくなる。
 あとは、自分を売り込むより対抗する相手をこき下ろす。いわゆるネガティブ・キャンペーンだ。 これを日本の自民党は真似して失敗したが、アメリカではある意味でやる意義がある。
 この、共和党の予備選挙でのネガティブ・キャンペーンを見たらわかる。
 これは、より保守的な共和党の中でさらに保守派が、同じ共和党のロン=ポール議員を批判するものだ。
 党の大統領候補指名に名乗りを上げたロン=ポール議員は、保守の共和党として「小さな政府」の政策を提唱している。
 しかし、それをいうならまずしないといけないのは軍縮であり、国防を充実させるのと軍事を拡大することは区別するべきと指摘している。
 そして、逼迫した国の予算と財政再建、国内産業の振興や社会保障政策の充実、という観点から、まず外国への軍隊常駐と軍事介入をやめるべきだと主張している。
 また、財政などアメリカ国内の問題とともに、国際的に無用な火種となってしまっている現実を見据えないといけない、と説いている。
 それを、ネガティブ・キャンペーンは、こう批判している。



 つまり、ロン=ポール議員の主張のとおりにすると、イスラエルにとって困ることになると言うわけで、これはアメリカの政治が有権者よりロビイストの方を向いている証左だ。

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by ruhiginoue | 2012-02-11 18:36 | 国際 | Trackback | Comments(0)

属国日本

 日本の、どの報道も、シリア情勢について「反政府デモへの武力弾圧」と金太郎飴のように表現している。
 これはリビア同様に介入したがっている外国勢力の側からの一方的な主張であって、それを受け売りするのだから報道ではない。
 これについて、諸外国の報道を検証すると、内政干渉や軍事介入につながるとして拒否権行使したロシアと中国を、国連は機能不全に至ったと非難しているのがイスラエルだった。
 そんな非難をよくできたものだ。イスラエルは、弾圧によって非人道的行為が国際社会で批判をうけてきており、そのたびに国連で非難決議が提案されて可決されそうになると必ず、アメリカが拒否権行使して潰してきたのだった。
 こんな簡単なことなのに、日本では一方的な報道しかない。よその国のことでさえこれだから、沖縄の基地問題でまともな報道などありえないし、政府がまともな対応をすることは不可能に近いだろう。
 こんな属国で、国旗国歌に反対した教員は首とかいっている政治家が威張っているのだから、ほんとうに滑稽な日本である。もう日の丸に反対するのをやめて、星条旗を掲げて、ハワイのようなアメリカの州にしてもらおうという運動に切り替えたほうが、まだ現実的ではないだろうか。
 

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by ruhiginoue | 2012-02-10 23:11 | 政治 | Trackback | Comments(6)
 高校のとき、授業ではなく文化祭で世話になった若い男性の教師は東京大学を出ていた。
 「どうして東大出たのに、こんな田舎の学校で働いているんですか」
 と訊いたら、
 「俺は教師になりたかったんだ。たまたま、ここに赴任して、田舎だっただけ。田舎が良いと希望したわけでも、田舎だから拒否するわけでもない、ということだよ」
 ところで、裁判の判断も分かれているが、特に石原とか橋下のために学校を追われる教師がでるかもしれないと言われている。家族を抱えて失業したらと悩む人もいるし、教師の仕事が好きで辞めたくないからと悩む人もいる。ここで悩みが深いのは、特に教師になりたくてなった人だろう。  
 さて、文化祭で世話になったというのは校門に架ける装飾のことで、田舎の古い高校で長年にわたり出来なかった大掛かりなものを、初めて作ることができた。それは大学の立て看板を応用したからで、先生の作業は手慣れていて実にテキパキとしていた。
 すっかりノンポリだと思いこんでいたけれど、赤門前に掲げられている立て看板はよく作っていたそうで、そこから話になったら意識が高い人だった。小学校の担任教師とは真逆で、そもそもそういうものなのだろう。
 この先生の担当教科は英語だったが、授業で習う機会がまったくなかった。ほんとうに文化祭だけだった。そのおかげで、授業以外の話ができたようなものだったが。
 それで卒業式のとき、担任とか習った他の教師は型どおりの挨拶、嫌いな人は無視をしたけれど、その先生だけは言葉は無く目で挨拶し、先生も無言のまま微笑みで応じたのだった。
 ただその前に、世話になったと年賀状を出したら返信がきて、勉強をして欲しいと書いてあった。東大出の先生が言うと受験勉強の印象だが、そうではなかった。
 「これから、きっと、俺や君のような者にとっては決して楽じゃない時代が来ると思う。そのときのために、本当の勉強をして欲しい」

 

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by ruhiginoue | 2012-02-09 21:30 | 雑感 | Trackback | Comments(2)

早起きのすすめ

 高島徹治という人が書いた、仕事や勉強がはかどるための本を読んでいるけれど、疑問が多い。
 早起きして早い時間にがんばれば効率が良いという全体の趣旨はもっともだ。
 ただ、その内容のほとんどが既に他の人たちからさんざん言われてきたことの受け売りばかりで新味がない。
 そして、実例が間違いとかこじつけばかり。
 例えば、著名な財界人の名を挙げて、成功した人たちはもみんな早起きしてがんばっているというけれど、そもそも財界人が「私はこうして成功した」というのは後知恵であって信用できないものだ。
 また、「日本最高のコンサルタントの大前研一氏」が早起きとしているというが、彼はどうしてもやりたいことが多いので睡眠時間を削っていると言っていたので、やや趣きが異なるし、有名ということでは日本一かもしれないが、仕事の内容はひどいものだということで評価が定着している。
 また、ヒットラーは起きるのが遅くてノルマンディー上陸作戦の対応が遅れて敗北したというけれど、彼が夜型生活の習慣だったことはよく知られていて、もしも夜討ちを受けていたら逆に良かったことになるから早起きの効用とは話が違うし、だいたい政治とか軍事を無視して起きる時間というのは乱暴すぎる。
 それに、社会的成功というだけでみても、いちおうヒットラーは大衆を煽動して選挙に勝ち総統に上り詰めたけれど、大前研一は唄ったり踊ったりの目立とう選挙運動をして受けず白けて有権者にそっぽを向かれてしまい、その当然の結果で惨敗したのに、それを中傷デマを流されるなど不正があったから負けたのだと言い訳したり愚痴こぼしたりと、まるでオウム真理教であった。
 もちろん早起きは三文の徳という言い伝えのとおりではあるが、この著者の説き方は駄目だと思った。

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by ruhiginoue | 2012-02-08 20:14 | 雑感 | Trackback | Comments(0)

岩波書店

 出版社の老舗である岩波書店が、事実上の縁故採用をすると宣言して話題になっている。
 この内容をよくみると、そんなに嫌らしいものではない。従業員か発行物著者などの知り合いという条件で、入りたい人はこれらのコネを何か探してと言っている。
 これに比べると、企業で横行している縁故採用は、社会的地位のある親などという嫌らしいもので、こんなことを上場企業が平然としている。ちなみに岩波は非上場である。
 この件で、岩波は東大出ばかり入社させているから、もともと閉鎖的だと批判的に言う人がいる。これはよく言われることだったが、最近では縁故の話と絡めて書いている人がいるのを、サイト上でもみかける。
 これについて最近は付き合いがない三一書房の編集者が、岩波書店は東大出ばかりで共産党と同じだと言っていた。
 しかしこれを、今たまに他の人も一緒にだが会うことがある岩波書店の社員(前にここで話題にした『図書』を、くれる人)に話すと、東大出ばかりというのは都市伝説のようなもので、東大卒じゃない人もいろいろ居ると言って否定した。
 これ以上は確認しようがない。進歩的な雰囲気の『岩波』だが、いわゆる左翼とは違い、その点では三一のほうがはっきり左翼で、前に取材をうけたことがある共産党の『しんぶん赤旗』の記者は、『三一』は新左翼だと嫌悪感を露わにしていた。
 そうした、自分の立ち位置から相対的に、相手の立ち位置をみんな言っているのだろう。

 
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by ruhiginoue | 2012-02-06 19:47 | 雑感 | Trackback | Comments(4)
 題名のようなことを書くと「中国やロシアに親近感をもっている」とか「イスラム教徒なのか」という単調な非難をする人がいるだろう。
 仮にそうでも、どんな国どんな宗教に好感でも反感でも、そのこと自体は自由勝手であるべきことだから、非難するにしてもその語彙が貧弱である。
 しかし、そこが問題ではない。冷静に考えてみよう。
 国連安全保障理事会で、シリア非難決議案に中国とロシアが拒否権を行使したことについて、悪い政権を擁護したからロシアと中国は悪いという非難をしている人たちがいるけれど、それは捏造報道している悪者か、捏造報道を鵜呑みにして感想を述べている愚者かの、どちらかである。
 youtubeなどインターネットで確認すれば明らかだが、どうして拒否権行使に至ったかについて、ロシアと中国の代表が明確に述べている。それを確認したうえで、どちらが正しいか判断しただろうか。してないはずだ。していれば、両国の言い分に反論しているはずなのに、していない。
 その両国の反対理由とは、産油国の利権とイスラム圏への反感によって軍事介入を目論む勢力の影響下にある諸国で垂れ流されている報道の名を借りた情報操作と、シリアの現実とが異なるというものだ。
 日本も含めた、その「影響下の諸国」では、「反体制デモへの武力弾圧が続くシリア」「アサド大統領の退陣や民主化を要求するアラブ連盟」「政府を非難し暴力停止を求める決議案」「常任理事国のロシアと中国が拒否権を行使し否決された」「決議案は欧米やアラブ諸国などが共同提出し、中ロ以外の13理事国がすべて賛成した」と、一方的で主観的で意図的な、とても報道に値しない宣伝が行われている。
 しかし、シリアでは一般市民の大統領支持が厚く、大手メディアでは報道されなかったが、日本でもシリア国民による大統領支持の意思表示の行動があったし、民主化を求めて反政府デモというのは嘘で、実は外国から唆されて武器まで供与された過激派であり、その暴力に対してシリア政府は当然の対処をしただけのことである。
 もちろんどこの政府だって、外国に唆された過激派の違法行為というのを弾圧の口実にするものだ。
 しかし、つい先だって、リビアの反政府デモ武力弾圧というのは意図的に流された捏造であったことが判明しているし、暴力を止めると言いながら軍事介入して傀儡政権を作った露骨な侵略であったことも、明らかである。
 その前のイラクでも、大量破壊兵器なんて最初から無かったし、その前の「イラク兵がクエートの病院に乱入して新生児を虐殺した」という涙の証言は完全なでっちあげのやらせであった。
 だから、アメリカのライスとかマケインらのような、戦争したさに同じ嘘を繰り返す者たちを信用してはならない。嘘がバレてもまるで反省しないでいる者たちが、またまたそっくり同じようなこと言ったら信用してはならないのは、常識である。
 報道についても、過日紹介したベルギーのジャーナリスト・ミッシェル=コロン氏が指摘しているとおり、色々なメディアが一致した報道をしているから正しいと思ってはならず、色々なメディアが同じ情報を流している場合ほど実は出所が同じであるものだし、また、何か対立があった場合は、片方だけの言い分を伝えられても情報を与えられたことにはならず、双方の言い分を紹介してどちらが正しいか比較のうえ判断できるようにしたものでないと、報道としての価値が無いから信じてはだめだ。
 これは、国際情勢とか戦争に限らず、どんなことにも共通なことであり、もう常識のはずだ。そんなこともわからない人たちが、報道に名を借りた宣伝を鵜呑みにして、単純に「拒否権発動したからロシアと中国は悪い」とバカ丸出しで言っているのである。


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by ruhiginoue | 2012-02-05 21:10 | 国際 | Trackback | Comments(5)

読者の相談と三浦和義氏

 拙書を読んで下さった方から、Eメールを頂いたり出版社に手紙か電話があったりもするのだが、それらの多くは相談である。
 出版社としては、お客様だから仕事のうちだし、本に反応があるのはうれしいことである。これについては著者と同じである。
 だが、会社としては市場と流通についても関心がある。だからどんな商品のアンケートでも、購入店はどこかと質問事項があるものだ。ところが、正直に図書館で読んだという人が時々いる。
 どこであっても読んでくれたことには感謝しないといけないけど、参考にしてもらえるまでは結構なことだが、さらに相談まではいかがか。ということが、まず企業としてはあるし、著者としても無関心ではいられない。
 そこで故三浦和義氏は、自著のカバーの折り込みに小さい相談シールの部分を設けて、線に沿って切り取り手紙や葉書に貼って送れば、週刊誌やワイドショーの被害に遭った場合の相談に乗るということにしていた。
 このようにしっかりしすぎているから、いろいろと言われてしまいもするのだから、これもいかがなものかという感じである。


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by ruhiginoue | 2012-02-04 18:01 | 雑感 | Trackback | Comments(0)

異常判決について

 杉山功郎弁護士事件について、先月あった判決について掲示板に報告を掲載しました。
 あまりの異常さに、疑う人もいるかもしれませんが、本当です。
 それでも、どうしても、信じられないという方には、判決文をお見せします。
 
 
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by ruhiginoue | 2012-02-03 21:14 | 司法 | Trackback | Comments(0)

中上健次と橋下徹

 芥川賞と「不機嫌会見」で話題の小説家・田中慎弥は、その作品が大江健三郎と中上健次に共通する要素があると指摘されると、その二人の作品は影響を受けそうな気がするので読まないようにしてきたと言ったそうだ。
 かつて中上健次は、新人のころに大江健三郎の作風と似ていると言われたため、「東大生作家」と売り出された大江健三郎とは違った個性を出そうと、自分が被差別地域の出身であることを前面に押し出した。
 すると、主人公が出自を憎悪するあまり家族を皆殺しにしたうえ知らない土地へ出て行く願望をもったり、実際に家族を皆殺しにする結末が何度も書かれた。
 同じように、主人公が周囲を片っ端から殺してゆく結末は、筒井康隆が何度も書いているが、こちらはギャグなので動機に深みがなく、だから浅田彰が、中上健次は一流だが筒井康隆は二流と評し、筒井を怒らせていた。
 この、中上健次の小説のような、出自を強烈に憎悪して否定しようとする願望は、橋下徹に顕著だ。彼も被差別地域の出身で、父親はヤクザであった。
 ここから抜け出すために、彼は勉強熱心でスポーツにも励み、いつも学校では優等生だったと伝えられる。こんな動機であるから、弁護士になっても弁護士の使命(弁護士法 第一条 弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする)には、無関心どころか逆のことばかりしていて、法曹人なのに中学社会科公民の基礎すら解らないと指摘もあった。
 そして、彼は自分の家族は大事にしているようだが、自分と家族のことしか考えていないと批判され、怒ってしまい、批判した人の容姿など無関係の話を持ち出して中傷誹謗で応じ、家族にたしなめられて撤回したというお笑いである。
 つまり、彼は出自を憎悪し、そこから自分だけ抜け出して、出自を蔑む者たちに迎合し一緒になって、自分が抜け出した出自を蔑んでいるのだから、差別を憎み平等な社会を志向したりはしない。
 これはたいへん醜いことなのだが、それを感じ取れない者も少なくない。だから橋下が支持されているのである。
 例えば、橋下が弁護団を誹謗した光市事件である。ここで彼は、勘違い発言した自分の非を認めながらも、政治家になれば特別扱いされるだろうと期待した通りになっているし、橋下に誹謗された被害者の安田弁護士に対する別件の強引な逆転有罪判決を最高裁が支持しているから、20日に予定されている最高裁判決も、被告の死刑は確実であろう。
 この背景にあるのが、橋下と同じ感覚を持つ大衆の存在である。
 光市事件の犯人の少年は、父親から暴力を受け続け、脳に損傷があり、精神もゆがみ、母親も同じ暴力により精神に異常を来したうえ自殺していて、母の無惨な死体を見てしまってから少年の言動がおかしくなったと近所の人たちが証言している。
 こうした生い立ちから異常な事件を起こしているので、そんな人間になってしまった犯人も気の毒と言えるし、父親の責任も追及されるべきではないか。
 しかし、父親と縁を切ってひたすら上昇志向という橋下は、反感を持つだけであろう。そして橋下を支持する者たちは、反橋下に侮辱で応じている。
 つまり、不幸な生い立ちの者に同情するのは自分が同じだからで、被害者のような家庭を知らないから、幸福な家庭を壊された憎しみが理解できないのだ、と。これはネット上にも、すぐ目につくほどたくさんある。こうした嫌らしさの根底にあるのは、自分だけ良ければという発想である。
 また、政治家としての橋下について、どうして彼が支持されるかとの問題がある。以前ここで、極左の異常な教師が暴虐をふるった現実を体験に基づき実名告発したところ、だから左翼教師の追放が必要なので橋下が正しいとか言うのではなく、そんな悪い教師が担任だったから、告発したほうも悪くなっているに違いないという嫌がらせのコメントがあった。
 このような嫌がらせをする心理にあるのが、社会批判とは自己責任を世の中に転嫁することだと安易に決めつけ、批判するより橋下のように自分だけ良くなるように考えるべきだとの発想だ。
 もちろん、自分も限られた中で精一杯の努力すべきなのに、社会のせいにしてばかりいるのは醜い。しかし、自分だけという橋下式は同じくらい醜いものだ。それを感じ取れない鈍感な人が結構いて、橋下に取り込まれているのだ。


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by ruhiginoue | 2012-02-01 17:26 | 文学 | Trackback | Comments(4)